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enoki181
2023-06-23 20:12:02
49319文字
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リプレイ
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【モノトーンミュージアム】とあるありふれた異形の話~秘めた心と水の国~【リプレイ】
シナリオクラフトのログ。紡ぎ手の中からボスが決まるテンプレート。
PL:成海さん、守部さん、柳さん、エノキ
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▼シーンプレイヤー:カマル
カマル:あれから暫く。
ウィルがここを出て、みづちが追いかけて行った。晴れやかな顔をしていた。
それ以外は特に変わることもなく。
姿の見えなかった村人は、何人かが帰ってきた。全員とはいかなかったけど。
いつの間にか消えてしまった御使い様は、どうやら巡礼の方だったようだよ、なんて話にしておいた。そうすれば、彼の顔を長く多くの人が覚えているだろうと思ったから。
おかしな御標は異形の仕業だということになった。
異形が倒れたことで一連の事件は解決したのだと皆理解したが、詳しくは知らない。御使い様が倒したのだとか、いいや最初に死んでた異形の旅人が元凶だったとか。皆で好き勝手言っている。
朽ノ葉 白狐:今日も村の警備をしている。
村を歩き回って、通りすがる皆に挨拶をしたりして。
そうしていつ通り、少し離れた場所にある家まで赴いて戸を叩く。
「カマル、いるか?」
カマル:「
……
白狐?」
カラリ、と扉を開けて出てきた顔は驚いて目を見開いている。
「何か用事があったか?この前、忘れ物でもしたかな」
朽ノ葉 白狐:「約束してただろう、今度柿を持って遊びにいくって」
そう言って懐から柿を出してくる。
カマル:「ああ
……
きみは、逃げないで来てくれるんだね」
表情を緩めて柿を受け取った。
「どうだろう、お茶でも飲んでいくかい?」
朽ノ葉 白狐:「ああ、もう逃げないと決めたから」
「そうだね
……
。今日くらいはゆっくりしていこうかな」
カマル:家に上がってもらってお茶を出す。
「まずは、約束を守ってくれてありがとう。落ち着くまでぼくのことを隠してくれて」
朽ノ葉 白狐:「どういたしまして。
……
と言っても、カマルのことを言ったら余計に混乱してしまうから。君との約束がなくとも隠していたと思うよ」
カマル:「そうだろうね。きみは賢い。穏便に済ませるなら、今ここで静かに始末をした方がいい」
そう言って両手を上げる。そうして、武器を持たず敵意もないことを示す。
「
……
まずは謝ろうか。黙っていて申し訳ない」
「誰にだって言えることじゃないけど、きみにはあんなに知られたくなかったのは
……
きみが来てくれなくなるのが寂しい
……
そう、寂しかったんだ。きみと会えなくなることが」
「異形の身を持ちながら、ぼくはきみと会いたいし、話をしたいと願っている
……
だけど、きみには斬られてもいいとも思っている。
……
驚かせることばかり言って、ごめんね」
朽ノ葉 白狐:「
…………
」
カマルの裾から見える黒い皮膚を見る。
……
目は逸らさない。そう決めたから。
「私は、やっぱり異形を許せない。今も、きっとこれからも」
「
……
ただ、寂しい気持ちはわかるよ。私もそうだから」
カマル:「うん、それでいい。それがいいんだ。きみは変わらないで、白狐。そういうきみが好きだ」
そういうきみだから、ぼくは安心して傍にいられる。
確実に息を引き取るその時まで、最期まで。ぼくのことを見ていてくれるのだろう。
「
……
ねえ、寂しさに寄り添ってくれるならさ、また約束をしようよ」
「次この家の周りにほつれが増えたら、ぼくを斬って」
視線を交わらせたままに微笑みを浮かべた。
「断ったって怒りも暴れもしないけど、これなら、きみとぼくがこれからも変わらずいられるんじゃないかな?どうだろう?」
朽ノ葉 白狐:微笑むカマルを見て、こめかみを押さえる。
「
…………
難しいことを言ってくれるな、君は」
「親しい人間を斬るというのは、結構堪えるんだぞ?」
そう言って、無言になる。
しばらくの間があって、口を開いた。
「
……
そうだな、それじゃあこうしよう」
「カマル、君は私を好きと言ったな。それがどういう形かは
……
まあ、今は関係ないか」
「ほつれが増えただけだは、まだ異形か判断ができない。もしかすると、別の異形が君の家の近くにいるという可能性もあるわけだ」
「だから
……
君が私を忘れたその時に、責任をもって私の手で君を殺そう」
「約束する」
カマル:息を呑み、言葉を考える。
だって、オディッシオはきみを忘れていなかったさ。多分ね。
刀を奮う手を鈍らせた彼女にそれを伝えるのは
……
。
「
……
うん、わかった。ありがとう」
そう、いいということにした。覚えていても、きちんと覚えていないふりをしよう。
それでいいんだ、ぼくと彼女の間は。きっと。
「好きの形というのにぼくは拘りがないけど、そうだねぇ
……
ぼくの最期を確かめて欲しいから、ぼくもきみの最期を確かめたい。どちらが先でも後でもいいけどね。それくらいの意味しかないから、身構えないで欲しいな」
事も無げにそうのんびり言って、手を下ろすとお茶を啜る。
朽ノ葉 白狐:「最期、か」
虚無に蝕まれたカマルの身が、一体いつまで持つのか知らないが、少なくとも人の身である私よりは、はるかに長いのだろう。
「
……
私は長生きするつもりだから、長い付き合いになりそうだな」
半分くらい、そうあってほしいという願いを込めてそう言ってみる。
「
……
まあ、湿っぽい話はここまでにしておこう。今は持ってきた柿でも食べようか、せっかく一番甘いのを選んできたんだから」
カマル:「そうか、そうだね。悪かった。お礼にぼくが剥くことにしよう」
果物ナイフを手に取り、柿を剥き始める。
異形であるぼくが刃物を持っても止めない彼女に感謝の念が湧き上がる。
穏やかな秋の風が流れていた。
あと幾度、彼女と季節を巡れるだろうか。
願わくば、長く、この時が続きますように。続けられますように。
ぼくに願う神はいないけれど。そっと自らの心に誓った。
GM:かくして物語は紡がれた。
――
めでたし、めでたし。
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