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asa_nohi
2023-12-23 23:51:04
20037文字
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カルジュナ
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アドカレワーパレまとめ2
お借りしていたワードパレットを使ってのアドベントカレンダーかるじゅ纏めその2
12/7〜12/16までの10編
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12/12 味の変わらない贈り物
ヘクセンハウス「クッキー/作って/食べられる」
デア時空、表記的には+寄り。ビーマもいる。雑に纏めると、兄二人は弟が嬉しそうならそれでいい。
「どうしてそうなった?」とアルジュナが訊いた。
「なぜだろうな」とカルナが答えた。
「それは俺も知りてぇよ」と、二人の視線を受けたビーマが、ため息交じりに答えた。
三人の目の前にはクッキーがある。それも、きつね色とココア色の二種類
――
量で見ると、ココア色の方が断然多い
――
が、皿一枚に山盛りに盛られ、どんとそびえて視線を引いている。
今日のお昼のおやつ
……
というわけでもないそれは、このカルデアという場所で再会し、食材の生産者と消費者という不思議な糸で繋がった縁を辿ったカルナが、ビーマに教わりながら作ったものだという。
曰く、普段非番の時に、茶を馳走に預かっている礼であるとか、なんとか。
試しに一枚、綺麗な焼き色のついたものを食べてみる。じんわりとバターの風味が感じられて、とても美味しい。
「いろいろ心配にはなったが、やり方さえ分かれば要領は悪くねぇんだ。それだけは確かだ」
アルジュナが、サクサクと音を立てながらクッキーを咀嚼する間に、ビーマがそう言った。なんでも、包丁の持ち方が覚束なかったり、チョコレートを直接火にかけようとするなど、逐一ハラハラさせられたらしい。それでも、時々隣でやり方を実演しながら教えてやると、後はとんとんと流れに乗って作っていけたらしい。
「手順に問題はなかった、と?」ごくん、とクッキーを飲み込んでアルジュナが言った。
「ああ。逐一、口出しされながら作ったからな」頷いてカルナが答えた。
「そうでもしねぇと、めちゃくちゃな順番で材料混ぜようとするからだろうが」その発言を受け、じろりとカルナを睨んでビーマが言った。
「じゃあ、どうして不思議な現象が起きたのだろうな」
それを聞いてから、今度はココア色のクッキーを口にして、アルジュナが訊いた。見た目にも、聞いた話にも、これは間違いなくチョコクッキーである。でも、酷く妙なことに、一切チョコレートの味がしない。先程と同じように、濃厚なバターの味が口に広がるばかりである。カカオ、一体仕事はどうした。
「普通、チョコレート入れたんなら、味がするはずなんだがなぁ
……
」
言いながらビーマもココア色のクッキーを食べた。ザクザクと音を立てたあとで、しかめっ面で言った。それで大方の事情を察したアルジュナは、再びクッキーに目を向けた。
つまり、山と盛られたクッキーが作られた理由はこうである。
ビーマに教わり、バタークッキーとチョコレートクッキーの両方を作ってみたカルナだが、どういうわけか、色の違うバタークッキーが爆誕してしまった。それが妙で、原因を探るべく、何度も何度も焼き直した結果、クッキーの山が完成した、というわけだ。
「なんでバターの味しかしねぇんだろうな
……
」自身の作ったものと食べ比べをして、ビーマが腕を組んだ。
「食べられるものができただけ良しと思うべきか」とカルナが言う。すると、すかさず「あれで食えないものができてたまるか」とビーマが困った視線をカルナに寄越した。
そんな二人を見やりながら、アルジュナはもう一度、カルナの作ったココア色の方のクッキーを頬張った。やっぱりチョコレートの風味は感じない。けれど、決して味は悪くない。いいお茶請けのお菓子だ。
そう思ったアルジュナは、「でも、」と言ってから続けた。
「味が変わらないだけで、これはこれで美味しいと思う」
「本当か?」
すぐさまカルナが尋ねると、アルジュナは、うん、と頷いた。
「監修者がよかったのはもちろんだが、お茶のお供にピッタリだと私は思う」
意外と器用なんだな、と、宿敵の知らぬ一面を見て、アルジュナが微笑った。思わず、ビーマとカルナは顔を見合わせた。
「ま、アルジュナがうめぇって言うなら、原因解明は二の次でもいいか」
ニッと笑ってビーマが言うと、カルナも「そうだな」と頷いた。
味はどうあれ、アルジュナが喜んでくれるなら、カルナの中ではそれで正解だ。
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