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asa_nohi
2023-12-23 23:51:04
20037文字
Public
カルジュナ
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アドカレワーパレまとめ2
お借りしていたワードパレットを使ってのアドベントカレンダーかるじゅ纏めその2
12/7〜12/16までの10編
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12/11 隣の座は譲らない
イルミネーション「指さして/明るい/点灯」
現パロ。藤丸くんとナさん。ジュナくんはお名前だけ。イルミネーションのアンラッキージンクスを覆すと宣言するナさん。
街の風物詩であるイルミネーションが点灯された。
駅前や中心部の公園には、ツリーや花、雪だるまなど、様々なオブジェが設置され、光の色や明滅を変えながら、訪れた人の目を楽しませている。
また、そこに向かう大通りの街路樹という街路樹にも、光の装飾が施されていて、一直線に伸びる明るい光の帯は、まるでテーマパークのパレードのような様相だ。何があるわけでもないけれど、その場にいると、何かが起こりそうな気がしてワクワクしてくる。
「寒いのは嫌だけど、ついつい見に行きたくなるんだよねー」
一緒に出掛けた帰り、そう言ってここに連れ出してきた藤丸の気持ちが分かったような気がして、カルナは「ふむ」と、白い息を立ち上らせた。
ちょうどそのとき、向こうの方から「あ、いたいた」と聞き知った声が言った。声のした方を振り向くと、紙コップを二つ持った藤丸が、ちょっと申し訳なさそうな顔をしながら、滑らないよう慎重に歩いてくるのが目に留まったので、カルナもそちらへ近づいた。
「人混みに付き合わせてごめんね、カルナ会長」
「構わんさ」
ほい、と差し出された紙コップを、礼を言って受け取る。中は近くの露店で提供されているホットチョコレートだ。藤丸曰く、イルミネーション見物に付き合わせる埋め合わせらしい。
もらった紙コップに口を付けながら、目の前の花のオブジェを見る。ちょうど、光の色が白から紫に変わったところだった。明るい白も悪くはないが、少し落ち着いたこの色も悪くはない。カルナは再び白い息を吐き出した。
「オブジェが増えてからは初めて来たが、やはりこの催しは悪くないな」
「えっ、そうなの? アルジュナ会長とは来たことないの?」
「交際が始まってからはないな」
「へぇ
……
。イルミネーションって、この時期のデートコースに組み込まれてるものだと思ってたんだけど
……
意外だな」
呟きを拾った藤丸が、驚いた様子で振り向いた。カルナも藤丸へ目を向けると、「ああ」と短く答えて頷いた。
「あれが来たがらないのでな。無理強いはできん」
「ふーん? アルジュナ会長、こういうの好きそうなのに」
目を丸くしたまま、藤丸が言った。その予想は間違っていない。カルナは再び頷いた。
「そうだな。確かに、こういうものは好むだろうよ」
「それでも行かないんだ?」
「ああ」
カルナは藤丸の追及に頷くと、再び紫から白に色の変わったオブジェを指さして、ぽつんと言った。
「イルミネーションは、カップルで見に行くと別れるというジンクスがあるだろう」
「ああー」
そういうことかぁ、と藤丸の苦笑交じりの声が聞こえる。そう、そういうことなのだ。根拠なんてどこにもない、けれども、割と多くの人が経験しているその事象を、アルジュナは随分と気にしているらしい。
アルジュナ自身がそう言っていたわけではないが、玉藻からイルミネーションにはこうした事情があるらしい、と聞いたその瞬間に、カルナの中では答えはそうと決まってしまったし、多分間違っていないのだから、そうと決めつけたところで問題もない。
そして、どうやら藤丸も、答えに納得したらしい。彼は「アルジュナ会長、確かにそういうの気にしそう」と、ホットチョコレートを少し啜ってから言い、それから、
「そんなジンクス、カルナ会長ならものともしないのにね」
と笑ったので、カルナもつられて口の端を持ち上げ頷いた。
「そんなもの覆すと言っているのだがな。頑として聞き入れてくれん」
根拠なき謂れを恐れているなど愚かにすぎるが、それでも、その実現を回避したいと思うほど、手を離したくないとしてくれているのなら、それはそれで嬉しい。そんな何とも複雑な心地で言う。聞いた藤丸は「周りに知られたら嫉妬の嵐だ」と困ったように笑った。
「見ながらプロポーズでもしなきゃ、ジンクス信じるなんて無意味って分かってもらえなさそうだね」
それはそれで癪なので、今後どれほど物理的な距離が離れようとも、生涯にわたって手放す気がないことは、何とか分からせねばならないのだが。
藤丸の言い分にそんなことを思いながらも、カルナは腹の底に渦巻く灼熱を隠して、「かもしれんな」とだけ答えて頷いた。
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