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asa_nohi
2023-12-23 23:51:04
20037文字
Public
カルジュナ
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アドカレワーパレまとめ2
お借りしていたワードパレットを使ってのアドベントカレンダーかるじゅ纏めその2
12/7〜12/16までの10編
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12/7 ボウルと粘土とお昼のおやつ
ブッシュドノエル「中身/丸太/簡単」
いいとこの子息ナさん×住み込みお手伝いジュナくん
台所に立ったアルジュナは、開け放った足元の収納を眺めたまま、腕を組んで眉を顰めていた。視線の先には、包丁やざる、フライパンなどの調理器具が収納されているのだが、そこに大きさ違いで五つ一揃いで仕舞っているボウルのうち、一番小さい物が見当たらないのだ。
おかしい。朝の支度をした後までは確かにあって、ここに片付けたはずなのに。
……
誰かが持ち出したのだろうか。
アルジュナは首をひねって考える。この家の庭にはブルーベリーなどが生っているから、もしかしたら、それを栽培している家の主人などが収穫するために持ち出した、という可能性も確かに否定はしきれない。
けれど、今日は旦那様は外に出られていただろうか
……
?
もっともらしい可能性を浮かべ、けれども、それをすぐに否定する。そうしてみると、他に調理器具を持ち出す事情が分からなくて、ますます消えた謎が深まるばかりで、アルジュナは眉間の皴を深くした。
ちょうどそのときだった。
「アルジュナ! これを見ろ!」
「
……
おや」
ととと、と廊下を走る軽い足音に続き、この家の子息であるカルナがキッチンに飛び込んできた。珍しく弾んだ声に振り返る。ずい、と差し出されたものに、アルジュナは思わず目を丸くして呟いた。
そこにあったのは、見覚えのある銀色だった。今の今まで、消えた謎に頭を悩ませていた、一番小さいサイズのボウルにほかならない。
「なるほど、持ち出した犯人はカルナでしたか」
「すまない。お皿に被せる銀色のヤツを探したが、なかったから借りた」
あっさりと解けた謎に微苦笑を浮かべて言うと、カルナは悪びれた様子もなく、事後報告でそんなことを言った。
その発言に曰く、これはクロッシュの代わりらしい。よくそんなことを思いついたものだ。アルジュナはカルナの行動を咎めるより先に、彼の柔軟な発想に、妙に感心してしまった。
そうして出遅れたアルジュナをよそに、カルナはボウルに手を起き、言った。
「開けるぞ! 見ろ!」
掛け声とともに、カルナはぱっとボウルを取り去った。その下に隠されていた中身は、紙皿の上に載せられた、ココア色に深い溝の刻まれた、よくよく見覚えのある丸太のお菓子
……
の作りものだ。
「ブッシュドノエル、ですか」
所々色のムラはあるし、上に飾られた切り株がちょっと大きいけれど、本物のお菓子さながらのそれを見ながら尋ねる。するとカルナは、「ああ」と頷いた。
「学校で作った。展示が終わって持って帰ってきたから、見せに来た」
紙粘度をくるくる巻いて作るから簡単だったぞ、と、子供らしい笑顔を見せてカルナが言う。アルジュナが「上手にできていますね」と言うと、彼はさらに得意気に胸を張った。
「今度、作り方を教える! 一緒に作ろう!」
「ええ、ぜひ
……
ああ、そうだ。それなら、ちょうどロールケーキもありますから、一緒にデコレーションして、お昼のおやつに本物を作りましょう。いかがですか?」
「! ああ! 作る!」
カルナに頷いて答えながら、ふと、冷蔵庫の中にあったおやつを思い出したアルジュナは、屈んでカルナに視線を合わせて提案してみた。すると、カルナはぱっと目を輝かせると、そのまま大きく頷いた。子供らしい、よい返事だ。
アルジュナはボウルを持ち出したことを咎めるのも忘れて、お昼の予定にワクワクしているカルナに微笑いかけた。
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