matukumo
2026-07-08 15:21:23
34775文字
Public
 

ゲーミング部と漫研部員でTRPGやってみた!

また書いてました!!

ンドラ現代パロ(O山先生のifを元にしています)
ゲーミング部の澄野君、面影君、九十九兄妹と、
漫研部員の凶鳥ちゃんが、クトゥルフ神話TRPGを遊ぶリプレイ風小説です。
いつも拓歪を描いてる人ですが、今回もカップリング描写は無いです。仲はとても良いです。

・ト書き小説でほぼ台詞
・ダイスロールは実際に振っています
・ハウスルール適用や、神話生物への自己解釈や捏造あり
・自作シナリオです
・パロディ(オマージュやリスペクトのつもり)、残酷描写、オリジナルキャラクターや劇中劇的要素、とにかく色々あります

仲良く身内ノリでやってるよ!みたいな軽いノリで書いています。
よろしければどうぞお付き合い下さいませ。









★一日目、朝、民宿


面影「君達は民宿に着きました。中からは女将であろう女性がやって来て、部屋まで案内してくれる。一人だけ泊まっていて、君達4人が来たことでちょうど空き室も埋まったようだ」

澄野「先客が一人いるのか、まさか探してる奴じゃないよな?」

過子「荷物を置きつつ、女将さんに事情を話し、島尾ランについて何か知らないか聞くよ……

面影「じゃあ、女将は写真を見ただけで、ああ!と反応が濃くなるね」



女将(KP)『その人なら確かにここに来たよ。一ヶ月前くらいに泊まりに来たね。

ただ、数日も経たない内に急にいなくなっちゃったんだよ。その数日間っていうのが台風が来てたあたりでね、屋根の補強やら何やらに追われて、あまりお客さんのことを注視できなかったのさ。台風がすぎる頃には、すっかりいなくなってしまったと思うよ。

フェリーで島の外から出ていったって話も聞かないし、島の中にはいるはずなんだけどねえ。

一応、その人の荷物は預かってるよ」



過子「台風が来ていなくなった……まるで、風にさらわれたみたい……

凶鳥「桜にさらわれ、ひまわり畑に紛れ込む、みたいなやつでござるか」

澄野(よく分からん)

今馬「それじゃー預かってる荷物とやらをかっさらいましょうよ」

面影「じゃあ、島尾ランの荷物です。
最低限のもの、というか、余ったものが部屋に置かれていたか、忘れ去られていた感じの奴だね。

まず、名刺。『政治ジャーナリスト 島尾ラン』と書いてある。

次に写真。スーツを着た一人の男の写真。年齢は中年……40歳に近いくらい。

最後に、メモ。
『こんなに簡単に彼を追えるとは、なにか違和感を感じる。勘だが、泳がされているような気がしてならない』という内容だ」

今馬「政治関係の記者が男の写真?じゃあこの男、政治家かなんかすか?」

面影「写真の男について何か思い当たることがないか、だね。技能を使うなら【知識】+【アイデア】÷5でサイコロを振ってもらうよ。小数点は切り捨てるものとする」

今馬「んーと……28以下すね。20で成功っす!」

面影「うん、それならイマ君は、この写真の男が、南茂内町の町議会議員、上野大吾という男だということを思い出すよ」

今馬「なるほど。政治ジャーナリストがきな臭さを感じつつも、この町の議員を追っていたら、いなくなった……てところか」

過子「ひょっとして……町ぐるみの陰謀があったりする?この島の女将もグル?」

澄野「そ、それはまだ分からないんじゃないか?飛躍というか……

今馬「妹ちゃんの推理なら飛躍でもなんでも受け止めるっすよ。受け止めるべきっす」

過子「面影先輩、女将に【心理学】を振るよ。本当に島尾ランの行方を知らないのか、気になる……

面影「では、どうぞ」

過子「26で成功だよっ」

面影「うん。彼女は本当に島尾ランのことは、これ以上、何も知らなさそうだね」

凶鳥「女将はシロでござったか!」

澄野「やっぱり、怪しいのは議員の男だけか?」

過子「読みが外れちゃった……

今馬「妹ちゃんのために今からでも女将もクロ側になりませんか?」

面影「なりません。女将には他になにか聞くことはない?」

澄野「島尾ランの他に、この議員の男も見かけてないか聞いてみたらどうだ?」

過子「じゃあ、男の人の写真を見せて女将にこの人も見なかったか聞いてみるよ」

面影「女将はそれに対して、ああ、ああと頷いてるね。心当たりがあるようで、次のように語る。……ごほん」


女将(KP)『その人は南茂内町の議員、上野大吾さんだね。

見たことは何度もあるよ。なんせこの希良島出身だからね。時々この島に帰ってくるんだ。
そういえば、ちょうど一ヶ月前にも帰ってきてたかな。フェリーで来たって話を聞いただけで、実際に姿は見ていないけど。

上野さんのお宅はこの島で一番大きくてね、港町から離れた小高い丘にある洋館だよ』


面影「……ということで、行き先に”邸宅”が増えるよ」

過子「これは行けというキーパーの思し召し……!」

今馬「早速行くかい!?妹ちゃん」

凶鳥「怪しい匂いしかしないでござる、気合を入れて向かおうぞ」

澄野「女将から話聞くのはもういいのか?他に客も一人いるらしいけど……

過子「念入りな調査も、もちろん大事だけど、今の自分は直感を信じたい……気分」

今馬「あと、流れ的に夜迎えたら民宿戻るのがベストな気しません?夜に外の探索とかろくなもんじゃないっすよ、きっと」

凶鳥「むむ?拙者は夜に探索したいでござる。怪盗たる者、夜に生き、夜に忍ぶが吉」

澄野「凶鳥はスマホ壊れてるから単独行動は危険じゃないか?」

凶鳥「なんと!!!」

過子「意見が結構ばらついてきたね、どうしようかな……

今馬「凶鳥先輩は夜、どこの探索したいんすか?」

凶鳥「邸宅でござるな。欲望のパレスはここにあると見た!」

過子「確かに、昼よりも夜の方が忍び込みやすい……かも?」

澄野「……ん?ちょっと待て。し、忍び込むのか?普通に玄関から入って人と話したりしないのか」

過子「……あ、こっそり潜入する感じで考えてた。百瀬探偵事務所は手段を選ばない主義だから……

今馬「自分は妹ちゃんおよびカコの方針に従うっす」

凶鳥「忍び込むのは怪盗の十八番でござる!」

澄野「…………犯罪組織だ」







面影「で、結局澄野君の意見を尊重して、民宿の客に話を聞く、と」

過子「昼はまだ決めてないけど……夜は邸宅に潜入の予定だよ」

今馬「澄野先輩は妹ちゃんの采配に感謝してください」

澄野「オレは意見が通る度に低姿勢にならないといけないのか?」

凶鳥「腰が曲がりそうでござるな」

面影「では、君達が泊まっている部屋以外に一つだけ、既に使われている宿泊部屋があります。その扉の前に、カコちゃん達はいる」

過子「ノックを3回、します」

面影「中からラフな格好をした、若い女性が出てくるね。カコちゃんイマ君に近い年齢だよ。少し疲れていそうにも見えるけど、応対してくれる」

カコ『どんな事件もカコっと解決!百瀬探偵事務所の、百瀬カコと言います。探偵をやっています』

イマ『自分はその助手の、百瀬イマです』

ジョウカ『美少女怪盗と申します!』

澄野「ストップ!凶鳥ストップ!!お前のロールプレイはなにかがおかしい!」

凶鳥「台詞の使い所だとおもってつい……

澄野「反射で使うな!リテイク!」

ジョウカ(リテイク)『私は禍津ジョウカ。探偵見習い……ってところかな』

クミオ『オレは宮田クミオ。探偵事務所の経理・事務担当です』

須田(KP)『探偵……?ワオ、なんだかミステリーの予感がするね!私は須田桜香子(すだおかこ)。一応、小説家をやってる者です。この島には観光がてら執筆活動をしに来たんだ』

澄野「有名な小説家なのか?」

面影「本や彼女のジャンルに詳しい人達なら知ってそうだけど、君達の中には……いそうにないね」

カコ『須田さんはいつからここに?』

須田(KP)『数日前からだよ』

イマ『じゃあ……一ヶ月前にここで行方不明になったっていう、女性に心当たりはないです?』



須田(KP)『その人のことは知らないけど、行方不明、って点では心当たりがあるよ。

希良島には大昔から、神隠しのような伝承があってね。
大昔は、天気が荒れた後、行方不明になった人や動物が、数日から数ヶ月経ってから見つかることが多かったとか。皆異様な死に方をしていたそうだよ、地面に叩きつけられたような……

ここ十年くらいも、天気が荒れた後、行方不明者が出てきているらしい。
昔と違うのは、そのほとんどが死体になって出てこないこと。行方不明になったら、それきりなんだよね。

一ヶ月前といえば、その時もちょうど天気が荒れてたな。行方不明になった時期と被ってるんじゃない?』



宮田『詳しいですね。この島の出身なんですか?』

須田(KP)『いやあ、私は生粋のオカルトマニアでね。この島は知的好奇心をくすぐる、歴史ある島なんだよ。私の知ってる限りで良ければ、もっと島のことを話すことができるよ』

凶鳥「お頼み申す!」



須田(KP)『この希良島は、巨人の通り道と言われているんだ。

巨人が歩いた跡には、人や動物の死体が空から落ちたように突き刺さり、そこから原生林が生まれたらしい。表の歴史ではちょっとマイルドな表現になってる。本当は怖い昔話、みたいな感じにね』



過子「巨人が歩くと……人や動物の変死体が出る。

巨人が歩くと……人や動物がついていく。

天気が荒れると……いなくなった人や動物の変死体が出てくる。

これらを合わせると、大昔の伝説によれば、巨人が現れると人や動物がいなくなり、天気が荒れて、その後、変死体になって出てくる……ってこと?」

今馬「大昔はそうだった、って解釈で良さそうだね。ただ、ここ十年は何故か死体が出てない」

澄野「巨人伝説になぞらえて、誰かが人を誘拐して隠してる、とか……?何のために?」

須田(KP)『あ、巨人伝説といえば、コンピューターに強い友人に聞いたんだけど……

巨人を崇拝するカルト集団が、この希良島のどこかにいると、ダークウェブで噂になってたとか』

今馬「はい、犯人〜」

凶鳥「誘拐犯は怪しい宗教団体でござるか!人を誘拐して、お前も信者にならないか?をやってると見た!」

過子「怪しげな儀式……ありそう……!」

澄野「小さそうな島のどこにそんな集団がいられる場所があるんだろうな……?」

過子「それを明かすのが、自分達……!謎を解くのが名探偵!」

面影「さて、このあたりで、須田桜香子の携帯に電話が入る。担当編集からみたいで、小説を書くことをせっつかれてるようだ。須田は名残惜しそうに、探索者達に事情を話して、原稿活動に戻っていくよ」



澄野「けっこう民宿だけでも情報が手に入ったな」

今馬「政治ジャーナリストと議員、
巨人伝説による死体が出る失踪&悪天候と、
ここ十年の死体が出ない失踪&悪天候……
謎だらけではありますねえ」

過子「推理と謎はうら返し、二転、三転、逆転……

凶鳥「スリル、ショック、サスペンスでござる……

面影「それは恋だね」

過子「よし、決めた……!次は港町の中に、怪しい組織とか建物がないか見てみようよ!」







★一日目、昼、港町


面影「フェリーターミナルから少し離れたところにある港町には、所狭しと建物が並ぶ。
外に出ている人々は、皆一様にしとしとと降り、すぐに溶けて消えていく雪を見て驚いているようだ」

澄野「忘れてた、今は初夏なのに雪降ってるんだった」

今馬「室内いましたからねえ」

過子「町の人に、どこか広い場所がないか聞いてみるよ。それこそ、秘密組織が秘密基地でも作れそうな」

面影「なるほど。そこまで広い場所、と言えば、やっぱり原生林だね、と言われる。港町の向かい側にあるところだよ。
それ以外で広いところといえば、原生林ほどの面積はないけど、この町と牧場ぐらいだと。
ただ、牧場は今、観光者を受け入れてないから行けないんだ」

澄野「本当に行けないやつか?」

面影「本当に行けないやつだよ、ただの賑やかし情報」

凶鳥「議員の家が怪しいと思っていたが、原生林にもなにか秘密があるのだろうかっ……?」

過子「原生林……伝説では、巨人が歩いた後、死体で出来た、って言われてる場所だね」

今馬「栄養豊富だったんだろうねえ」

澄野「町の人にも、行方不明の島尾ランのこと、議員の上野大吾について聞こう」

面影「町の人は、島尾ランのことはほとんど分からなさそうだよ。
上野大吾のことは女将が話していたことと一通り一緒だ。

ただ、一つ新しい情報がある。どうやら上野大吾は、最近黒い噂があったらしい。
なんでも横領して私腹を肥やしているとか、横流しをしているとか、ね」

凶鳥「むむ……!怪しい議員に怪しい組織……これはもう、点と点が繋がったんじゃないでござるか!?」

澄野「とことん目立つ存在だし、上野大吾の家に行くのは確定だよな。……方法はともかく」

過子「他になにか、聞くことはないかな?」

今馬「巨人とか、島の歴史や事件については、町の人はどんな感じに答えます?」

面影「どの人も似たり寄ったりの回答だね。

巨人伝説についてはオカルトマニアの須田桜香子ほど詳しい情報は出ず、行方不明になる事件は……

そうだね、さっき聞いたように『天気が荒れた頃に行方不明者が出る』といったことばかりかな。肝心の行方不明者についての情報はあまりない。いなくなるのは、島の外の人だったり、島の人だったりする。共通点も無さそうだ」

今馬「要するに町の人は自分達の土地で起きてることに意外と関心がない、と」

過子「事件に関わってる風にも見えないよ」

凶鳥「悪しき者は上野大吾と、カルト集団に絞って考えるがよいでござるか!早く根城を突き止めねば……

澄野「じゃあ……そろそろ……潜入……やるんだな?」

面影「ここでの探索がそれでいいなら、君達はご飯を食べるなりなんなりして、夜、邸宅へと向かうね。夜?それとも深夜?」

過子「もちろん、みんなが寝静まった深夜だよ……!」

今馬「行っちゃいますか〜!」

凶鳥(出うる限りの低音イケボ)「ショータイムだ!」

澄野「……いいのか、本当に……!?」