花筵シヂマ
2026-05-22 12:04:36
24424文字
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蛇蝎1~3

妻生存if、父と水は愛人関係、ゲタくんとは体関係なしの婚約者.いずれ黒父になる話



 台所に向かう二人を見送ってから、先に口を開いたのは水木だった。
「また欲求不満かよ」
 舌打ちをする水木の腕を乱暴に引っ張った。予想外だったのか、水木は受け身も取れずに引きずられるようになっていた。
 玄関の近くにある部屋の戸を静かに開けて水木を押し込んだ。戸を閉め切ると、まるで元からそうであったように壁に変貌を遂げて戸は消えてしまった。
「水木は妻のいる前では、儂がお前に手を出さないと思うておるのじゃろう。随分と軽んじられたものじゃな」
「な、なんだよ急に……
 豆電球が頭上で揺れ動くだけで他の灯りは一つもない。四畳半ほどのこの部屋は、妻も知らないゲゲ郎の作業部屋だった。
「一つ、気づいたことがあるのじゃ」
「何をだよ……
 水木の手が己の襟を掴んでいる。昨日噛みついた痕がそこにあるはずだった。
「儂が妻と話しておると、お前は決して儂を見ぬ」
 あからさまに水木が視線を逸らした。図星なのだろう。
「水木はまだ儂を愛しておるのじゃ。儂を愛しておるから気を引こうとしておる。なあ、そうじゃろう」
 饒舌になる舌が止まらない。まるで渇くことを拒むように。確信が欲しくなり水木の両肩を鷲掴みにして、力強く揺さぶりをかけた。
「なら儂のものになれば良い。忘れるために倅と婚姻しなくても良いのじゃ」
「な、何言ってるんだ、俺は本当に」
「もしかして、倅の娘に気遣いをしておるのか?」
 水木の顔色が面白いほど青く染まった。唇を震わせ、落ち着きなく彷徨う双眸の海をもっと見つめたくなる。
「倅から全部聞いたのじゃよ……倅に子がおることも、お主が儂との関係を息子に告げておることも」
 水木の腕が力無く腕の横にぶら下がっている。呆然とした水木のからだを、力強く抱きすくめた。
「あの子は儂が引き取ろう。そして儂らは家族になるのじゃ」
 水木の顎を掴もうと伸ばした手に、鋭い痛みが走る。
 ゲゲ郎は驚いて手を引いた。手の甲に歯形がついていた。
「馬鹿にするのも大概にしろ。俺は、あの子をお前に育てさせるつもりも、お前の愛人になるつもりもない」
 水木は肩を震わせながら、切れ切れに言葉を紡いでいる。怒りにその身を震わせているのだ。目を見開き睨めつけてくる水木にゲゲ郎は言葉を失った。
 ゲゲ郎は、なぜなのかわからなかった。
 水木はゲゲ郎を憎み、愛を捨てきれずに家に来たのだと思っていた。愛してるから身を開いてくれていると思っていた。
「あの子に会いに行かないでくれ。俺はもう、ここに来るのをやめる。お前がそんな考えに至ると思わなかった……
 力無くそう言う水木はゲゲ郎の傍らをすり抜け、壁に手を当てた。
 水木のシャツの白さが瞼の奥に残る。何度か瞬きをすると水木の姿さえ消えてしまいそうに思った。
「出してくれ。奥さんには断って俺は家にーー……
 水木が首を傾げた瞬間、ゲゲ郎はその頸に噛み付いた。
「いた、……っ!」
 水木の胸元に手を伸ばし、シャツを左右に引っ張った。ぽたぽたと水滴のようにボタンが弾け飛び、日に焼けていない柔肌が顔を出す。
「行かせぬ」
 ズボンのベルトを引き抜いて、手首を後ろ手に縛りあげた。足を絡めて水木をうつ伏せに押し倒した。
 もがく水木の首を抑えて、ズボンごと下着を引きずり下ろした。
「なっ、あ……っ!?」
 固く閉じていた窄まりを指先でなぞりあげた。
 ずぶずぶと肉に包まれながらゲゲ郎は指を沈めていった。
「なら何が欲しい。何を求めてここにきたのじゃ」
「ひ、っ、ん、……!」
 いつもより乱暴に窄まりの粘膜を擦り上げる。指に触れた前立腺をごりごりと指の腹で擦り上げた。
「この家にきたら儂に乱暴されるとわかっておったじゃろう……ああ、それとも何か?」
 雌穴から溢れる粘液がゲゲ郎の指を伝って手首まで濡らして行く。
「ん、ンッ、あ、ぁああ……ッ〜ーーー!」
 水木の足が爪先まで伸び、痙攣を起こしている。果てたのだろう、収縮する雌穴がゲゲ郎を誘っていた。
「欲求不満なのは水木じゃろう。倅に抱かれなくて、持て余しておるのじゃ」
「ちがう、おれは、そんなことおもってない……っ」
 水木の欠けた左の耳が赤く染まっている。花びらのようなそれを口に含み、舌で耳の縁をなぞりあげていく。
「ん、んん……ッ」
「それならこれは何じゃ、こんなに飢えて漏らして」
「あぁあ……ッ!」
 果てたばかりの窄まりに再び指を挿れて、乱暴に肉壁を擦り上げた。尻肉が波打ち、果てたことを伝えてくる。次第にくねらせるように水木が尻を押し付けてくるので、夢中になってぬかるんだ泥のような雌穴を暴く。
 やがて水木の肉体から力が抜けていき、手首のベルトを外そうともしなくなった。
「あ、あ、ぁっ、……あう……っ」
 ふやけた指を抜いて開き切った雌穴に陰茎を擦り入れた。水木のからだに覆い被さり、尻肉を掴んでぬぷぬぷと陰茎を押し込んだ。
「う、く……ぅうう……ッ」
 上から叩きつけるように抽挿を繰り返す。肌がぶつかり合う音に混じり、水木の悲鳴混じりの喘ぎ声が聞こえる。
 それがゲゲ郎の耳を楽しませていた。
 水木の耳元に口を寄せ、陰茎を半分抜いてやる。
「は……は、はあっ、っ」
 水木のだらしなく開いた口から唾液が溢れ出して床板を濡らしている。
「可哀想になあ、こんなからだを持て余して……最もらしいことを言うておるが、なぜ倅がお主を抱こうとしないかわかるか?」
頬を真っ赤に染めた水木が恨みがましく睨みつけてきた。それが息子の眼差しと重なり、ゲゲ郎の胸が波打つ。
 壊したい。
 泣かせて、やっぱりゲゲ郎を愛してると言わせたかった。
「儂の手垢のついた雌など抱きたくないからじゃよ」
 水木の双眸が大きく見開かられ、力無く涙が落ちていく。
「可哀想になあ……可哀想で、なんと可愛いことよ……
「あ、あぐっ、んッ……おッ、んぉ……ッ!」
 水木の腰を掴んで根元まで咥え込ませた。肉襞が捲れ上がり、限界まで張り詰めた欲望を搾り取ろうと雌穴が収縮を繰り返す。
「あ、あ、ぁぐっ、うう……ッ」
「案ずることはない、どこででも抱いてやろう……
「や、ん、んう……!」
 唇に吸い付き、熟れた薄紅色の乳首を弄る。指に吸い付くようなそこを乳輪に押し込みながら、長い舌で熱い口腔を弄った。
 水木が歯を立てようとしてきたので、より奥の咽頭まで舌をねじ込んだ。
「んぐう、う、……ッ」
 水木は白目を剥いて息苦しそうにゲゲ郎の腕に爪を立ててきた。まるで必死に縋りつかれているようだ。
 水木の後ろが強く締まったかと思うと、ゲゲ郎は耐えきれずに奥底に注ぎ込んだ。濡れた種子が水木の太腿を伝って流れていく。
 ぬる、と舌を抜いて水木のからだから手を離した。
「はっ、かはっ、……!」
 水木はその場に倒れて咽せていた。剥き出しの白い尻から溢れる精液を雌穴のなかに押し込んだ。
「ぁあ……ッ」
 余韻でも感じるのか、水木は腰が抜けて尻を突き出した状態で果てていた。
 情けなさなのか、それとも悲しさなのか涙を流し続ける水木の前に膝をついた。
「もう一度問おう。もう一度儂のものになる気はあるか?」
 水木は強く、首を振った。
 肯定ではない、否定だ。
 感じたことがない怒りがゲゲ郎の手のひらを這い回る。握りつぶすように拳を作り上げ、ゲゲ郎は乱暴に壁を殴った。消えたはずの扉が浮き上がり姿を見せる。
「そう答えたことを後悔するが良い」
 身勝手なことを言っているのはわかる。
 だが、我儘でも良い。再び、水木が欲しかった。
 水木を置いて部屋を出たゲゲ郎は汗ばんだ肉体を洗うために風呂場に向かった。再び閉ざされた部屋に戻る頃には、水木の姿はどこにもなかった。