akinoshiroihana
2026-04-06 18:23:28
13071文字
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名刺置き場16

ゲッター




「台風が近付いてるってよ」
「へえ、こんないい天気なのに?」
とは、早乙女邸の三人部屋に有線アンテナを引いてもらったカラーテレビの前の弁慶だ。世はまだ白黒テレビの家も沢山あるのに、そしてここは家族のリビングでも食堂でもないのに、カーペットの上、元気ちゃんと長々と寝そべって。命懸けで戦っているとはいえ十代の少年たちにはなんと厚遇。
ゲッターでの戦いの二年目はそんな風に、早乙女博士個人の心遣いの範囲でできることとはいえ、彼等の肩を抱き寄せるようにして守っている見えない保護者の大きな掌がときおり見て取れた。

「ふうん、じゃあ相撲を取らないか」
「はん?」
「先日からのYahooゲームの『ゲ〇ゲの鬼太郎』では相撲の好きな妖怪龍馬と相撲を取ると日照りが治まるらしくて」
「おいそこだけ時空が五十年ぐらい歪んでねえか」
「だから俺が相撲を取ったら台風じゃなく恵みの雨に変わるかもしれない」
「聞けよおい」
「だから相撲を取ろう隼人!さあ来い!」
「やだよ」

無印32話の「俺にもわかんねえの!」や某作品劇場版の「俺ぁ知らねーよぅ」みたいな具合の軽妙さとつれなさが、いつものクールな彼らしくなく面白かったり可愛かったりするので竜馬は少し笑う

もうすぐドリフターズの番組が始まって、小さい子には良くないからと、元気ちゃんが抵抗虚しくミチルにつまみ出されていくのを見送りつつ、
お前、部屋に絨毯敷いてもらったのが新しい内に、微かに足裏が沈む感触があるうちに転がって遊びたいんだろうと隼人が肩をすくめた