akinoshiroihana
2026-04-06 18:23:28
13071文字
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名刺置き場16

ゲッター



新ゲ あの3人で誰かが誰かを起こすならどういう?という
事故的になにかそういう関係になってるかもしれない、なってなくてもいい




「起こす」というのは

両の目を開けて「覚醒した」旨を自己申告させるまでをいうのか、
就寝体勢を解除させ、なにかしらの労働作業に従事できる体勢にすればいいのか

二度ほどあった声掛けの後で掛け布団に押し付けられ着いた焦げ跡は、その下でいぎたなくしていた人物の意識が三、四度目の呼びかけであるいは浮上してくる可能性があったのを待つ気か希薄であったと知らしめ、覚醒した当人に一抹の傷心をもたらす、そしててめえまじで何考えてやがるという溢れんばかりの激昂をもたらした。

「汚れようが破れようが布団はリースだ、早乙女なら俺等の誰かが潰れた後の事も当然考えている。来栖なんとかいう奴のファイルはあの爺の目にもよほど魅力的なのか比較的すぐ見られるところに出してある」
けっくだらねえ、ヒトサマの出来不出来を気にするよりまずてめえ自身がどうかだろうが、との竜馬のいかにも良いこと言ってやった風な言葉には、すっかり嵌められた首輪口輪が目に入らなくなっていやがると言葉にはせず、隼人は観察眼とともに首を傾け薄ら笑いした。それは好意的な反応と誤解を受けもしたかもしれない

「で、どんな奴がそのホケツにいるんだよ」とちらちら窺ってくる相手には
「お前に似てる」
だが悪くなさそうだあれは。そうとだけ隼人は返す。誰かに構われたい必要とされたいお前でなければだめなのだと言われたかったであろう男に。ぎくりとしたような明らかな間が、空白がぽかりとその場に空いたのを感じつつ彼は後ろ手にドアを閉めた。面構えはさておき今どき試したIQテストの成績がよろしかった事や弁慶以上のしぶとさを持つらしいことはそうだな、聞かれたら初めて教えてやるとしようかと思いつつ。





「大体なんだ、」
でかい成りしてゆるゆると揺すって起こすそのやりかたは気色悪い
だって寝惚けた竜馬にぶん殴られたかねえし、起きたあとですげえクドクドぎゃんぎゃん俺の事全否定して怒られそうじゃねえかよう、あいつそういう言葉はいっぱい知ってるタイプなんだよ俺とそんな変わんねえバカなのにちきしょう!
自認と表明に躊躇も羞恥もない方の素直なバカはそう述べた。

こいつのメンタルは 風船 か
ケアも修復もせず、割れたら―――ピンの一本も突き立てられたと思ったらもうおしまいで、またすぐ新しいのをどこかから取り出していそいそとふくらませ、虚空にぶら提げる。
竜馬はさしずめその風船が破裂しそうな危うい音を立てつつひねくって自分の為の犬だのハートだののバルーンアートにするのだろう、と隼人は考える。幼いころ見たバザーの一隅で、張り詰めた風船の腹に歯を立て剣呑な音を立てては道行く子供たちを恐れさせつつ小動物や花束を作っていく大道芸人がいたのをふと思い出しながら
「それによう、俺は一緒に寝た女にしか起こしてもらった事ねえからそういう起こし方になるよな、そうだそういえば、へへへ」
訂正、こいつのメンタルはべたべたしやがるうすぎたねえ風船、コンドームだったらしい、なるほどどこかからともなくいそいそといくらでも出てくるわけだと隼人は内心舌打ちした。

「はん、なら手本にできそうな扱いがキツかった女の一人や二人もいるだろう」
お前の下半身はだらしがねえから、そんな程度じゃきかないか
そういえば話の続きを詳しく、と促して欲しそうにしていたのを黙殺して終わったきりだったが、あの世界ではどうだったんだとあの夜の焚火の前以来の話の接ぎ穂を隼人はふと向ける。と、弁慶がはっとした顔になり、そのまますーっと顔色が土気色になって行った。

「起きなこの……
デカいだけですぐてめえ勝手に引っ込めてしまっちまう役立たずが!などの叫びがいぎたない男の枕辺をかなり手荒い所作と共に襲う。別時空にとはいえ「過去」に遺伝子を残すのはまずいとの弁慶の配慮は到底細君の理解を得られるはずもなかったのを、なにも自己申告しなくていいものをと思うが、
あれか、グリーンでおかしな掛け声とセットでクラブを振るじいさんたちか「チャー・シュー・メ~ン」かと納得することにして廊下に出た隼人の背後では
てめえ言うにことかいてなんてえことおおおれがいつそんなことしたよ!オ マ エ に!との怒声と鈍い打撃音が響いた気がした。