akinoshiroihana
2026-04-06 18:23:28
13071文字
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名刺置き場16

ゲッター




アイドル歌手か人気俳優もかくや、
彼女は彼女なりのファンの捌き方男避けを心得ていて
「ミチルさんってば今日もお肌がすべすべぴかぴかでキラキラしてら」
「あら、お肌なら日焼けしてない隼人君がいるわよ、遠目でも『なんだか一人だけ白いのがいる』ってわかっちゃうくらい」
「ミチルさんのシャンプー変えたのかな、いい匂いだしいつもよりサラサラなびく」
「あらありがと、短くする主義でごめんなさいね、伸ばすとすぐに肩が凝っちゃう
隼人君ぐらいにでも伸ばしていたら、あたしきっとダメよ」
などまあ、思わぬタイミングで障害物か横槍よろしく、隼人の名前はにゅっと出てくるのだ

ああ、あとは『ミチルさんのきれいな白い手』なんて言ったひには敵面に現れるに違いないのが『隼人君の手も節ばってなくて爪の形も綺麗よ、しぐさも手元だけちょっとおしとやかなの』あたりだ知ってる、あああああああコンチクショウめ、と罪無き恋する少年巴武蔵は、今日も。


「ああもう時空を越えてこの褒め方にしちまおう、ミチルさんは顔小っちゃくてすげえかわいい」
「ああ頭蓋骨からしてデカくって長げえツラで申し訳ねえ」
なんだそれ、脳味噌いっぱい詰まってるみたいなこと自分で言いやがって
それに平安時代ならそれさえ美形の条件として搭載されやしないかと全てを疑う境地の武蔵だった

そういうのならね、私や浅丘ルリ子と同じくらい大きな目の人が「大きすぎて気持ち悪い」って言われる時も、胸とお尻が私より豊満な人に男の子たちの胸囲を挙げて来る時代だってそのうち来ると思うわよ
「七人の侍はカンヌに行ったら『菊千代の死体のお尻は素敵』って言われてるんでしょ」
「やめとくれよう!そんなの誰も一緒になんざしやしないよ!」
悲鳴を上げる武蔵と今日も「ファン」捌きに忙しいミチルの傍ら、隼人はくさはらに身を延ばしもういちど目を閉じて―――

―――やはり神所長のバストはテスト用パイロットスーツでは収まりが悪いですね、とモニター質の女性職員に苦笑などされている、時空を越える夢を見た