akinoshiroihana
2026-02-09 22:59:42
9407文字
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名刺置き場15

ゲッター



ジャガー号がアフターバーナー(でいいの?あれ)を空中でボボッと切って合体態勢に入るのがヒヤリな(あの一連のシーンは『本当はここスローモーションでお見せしてるんだよー』でしょうが)のはチェンゲですね
チェンゲのまだ平和な頃かサーガ


「体操のお姉さんが踊り始めるってよ」
「ん?」
「たいそうのおねえさん」
そう竜馬が指差したテレビでは同局の番組紹介が流れている。動物の着ぐるみ達と笑顔で並ぶのは幼児番組の紹介だろう。
―――が『ダンスのおねえさん』になるらしいぜ、なんで」
「最近の子達は『みんなーたいそうだよー』より『みんなーおどるよー』の方が食い付きいいかもしれねえな」
あ~~。時代かねえ、とシャワーブースの前、パイロットスーツのマフラーを解きつつ竜馬は首を傾げる。
「『体操のお兄さん』」はどうなるんだ、お兄さんも踊り子さんになっちまうのか?」
「さあ」
「おい隼人ぉ、お前体操で天下取ってた身だろうがよ一家言あってもいいんだよ!」
 俺はイヤだぞ、右も左もわかんねえガキの頃に見た、トンボ返り涼しい顔でできるのがすげえキレイでカッコよかったお兄さんが踊っちゃ」
ああ、と隼人はふと思い出す。そういえば仮面ライダーV3だって体操のエースだったかと。自分には部活だったそれが「美しさと強さ」と認識されていたこともあったのだなと。マットの上の白い豹だかなんだったか、と、今の身体を柔らかく包むボディシャンプーの白い泡をシャワーで一気に洗い流し振り落としつつ、隼人は往時の記憶もさらりと流した。
「それは体育系じゃねえ違うお兄さんと交代するってことじゃねえのか」
「!待て、そのチェンジだめ駄目絶対!」
案の定強く異議申し立てをしつつ隣のブースにようやく入った竜馬がこそばゆくも少々五月蠅くなってきたから隼人は
「そんな文句言うもんじゃねえよ俺達も踊ってるだろ」
ゲッターの空中合体は際どさが堪らなく来るダンスさ、普通はあり得ない芸当でアクロバット
「ああ、お、おうそれはな!」
「あとベッドでも割とダンスだろうあれは」
いい話を聞かされたみたいな顔になっていそうな声の竜馬に言い捨てて隼人はさっさとシャワーブースを出る
「待ってるぜ」とだけ言い残して

竜馬のブースからは、その後しばらく水音が全く始まらなかったらしいが

アフターバーナー切って中空で待つから、墜ちてしまう前に、早く。