チョコフレークは1967-2019で販売終了したらしいですが、じゃあむしろこいつらには関係ねえのです
腹減ったなんかねえかと小夜更けて竜馬が出没したのは、
とっくに終業して麓から通いのおばちゃんも帰った職員食堂ではなく、兼非常食としてカップ麺が積んである給湯室でもなく、隼人が当直の職員と、科学者チームとはまた異なるめんどくさい「日本語だけど意味がわからねえ日本語」でなにやら話す格納庫だった。隼人はいつもの淡々とした表情だが、居残り職員達には意を得た話なのか嬉しい評価だったのか、なかなか話の途切れ目は来ない。
おーいお前ら字幕を付けろ、何言ってんだかわかんねえよ、など言い竜馬が彼らの会話に割り込んだのは、彼らが竜馬に目線でだけ応じて迎えて『勝手にやっててくれ』、とストーブの上の薬缶とスチール製のデスクの上の急須だけの間に放置したからだ。
「精密機械触ってるところなんだよ」
休憩室に何か
―――こいつらの名前が書いてあるのはよせよ、メカニック相手に遺恨が残ったらおおごとだ
―――何かあるだろう、油っ気と湯気はこっちに漂わせるな
「それは俺も気分じゃねえからこっちに来たんだよ」
即席麵の劣化の始まった油の臭いは、たまにとてもお呼びじゃなくなる、と竜馬は頭を掻き掻き部屋の奥の暗闇に消えた。と、ほどなくして
「おーいバレンタインチョコかと思って齧ったら本物じゃねえかよ、なにしやがる」
「うわ流さん本当にやっちゃった」
「それ機体の検査が終わってから隼人さんが今日のお菓子作る見本に拾ってきたやつですよ!裏の林の松ぼっくり!」
「今年は土日だから食堂に置いとく数も少なくて済むってちょっとだけ凝るって隼人さんが」
竜馬が行った直後にはっとその可能性に思い当たった様子の隼人は渋い顔で口をつぐんでいる。
「あ~なるほどな、これで松ぼっくりのイガイガ作るのか
まあいいや、じゃあ俺はお前の気持ちだけもらっとく、代わりに一番乗りな」
言いつつチョココーンフレークの大袋を抱えて帰って来た相棒を、食い尽くすんじゃないぞそれ、と隼人は横目で睨んだ
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.