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kr0mm333
2026-02-03 09:30:47
18313文字
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柴チヒ②
原作後の未来設定で捏造モリモリの柴チヒ(41×20)
柴さんの前からいなくなるチヒロ君の話で、2月のWEBオンリーで展示したいと思ってるものです。
1話ずつ増えていきます。
柴チヒ① (
https://privatter.me/page/6950d1ea15f40
)の続きで、幕間と4話からになります。
続きの柴チヒ③ (
https://privatter.me/page/698c8ed1cd5cb
)はこちら。
最終話まであります⤵︎
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27272245
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千鉱が家を出る二ヶ月ほど前。
縁側で洗濯物を畳んでいたときのこと。
ハッと我に返り、慌てて洗濯物を畳む。
その動作を何度も繰り返しながら、二人分の洗濯物を片付けていく。
毘灼との戦いのあとから、ぼんやりしてしまうことが増えた。
ふと、意識が飛んでしまう。
何かの病気や妖術かとも思ったが、どうにも精神的なものらしい。
洗濯物を畳んだり、食事をしたりーー穏やかな時間の中で、ふと記憶が飛ぶ。話している最中に名を呼ばれ、それで気づくなんてこともよくあることだ。
料理中や依頼をこなしている最中には起こらないが、これは緊張しているのが理由だろうと医者は言っていた。
早く何とかしてしまいたいが、精神的なものが理由ならシャルに頼むのも難しい。
気持ちは焦るが、体が精神についてきてくれない。
結局、時間が解決してくれるのを待つしかないと、歯がゆい気持ちを抱えながら日々を過ごしている。
そんな生活を始めて二年弱。少しはマシになってきたように思う。
昨晩は夢見が悪く、いつもより早く目覚めてしまった。二度寝する気にもならず、そのおかげで眠気に襲われそうになる。
柴も仕事が長引いて朝帰りしていたし、仮眠だけとって一時間ほど前にまた出掛けていった。
「今夜は早寝だな」と呟いたのと同時に、ふと視界の端を何かが横切ったような気がして顔を上げる。
山の中、隣家など存在しない一軒家ということもあり、家の敷地内は動物が出入りすることも多い。
しかし、今見えたものはタヌキやキツネにしては大きく熊にしては素早くて、獣ではないと直感した。
いつでも動けるように軽く腰を上げ、前を見据える。
次の瞬間、正面から向かってくる人間の姿を捉えた。
数は二。
顔は隠しているが大柄で、手には刀を持っている。
妖刀はもうこの世に存在しない。
それでもまだ、刀が主流となっていることがなぜか面白く感じられて、千鉱はつい口元を緩めた。
玄力で体を強化し、背後の和室に飛びこむ。
床の間に飾ってある刀を手に取り構えると「くーー」と言いかけてハッとした。
涅は、淵天はもうこの世に存在しない。
わかっているはずなのに、口からその名が出そうになった。
刀を鞘に納めたまま、刃側を自分に向ける。
鞘の中に玄力を限界まで流し込む。
そして刀を抜いた瞬間、目の前に迫っていた一人目が真っ二つになっていた。
庭の真ん中、敵と思わしき人間とともに物干し竿も破壊される。
続けてもう一人。
背後に回られたのを感じ、振り返りざまに袈裟斬りにする。どこの手の者かを探るためにも、こちらは生かしておくつもりだったが、確認したときにはもう絶命していた。
「クソっ
……
」
やってしまった。
襲撃犯を殺してしまったせいで情報が得られない。
普段ならしないようなミスを犯してしまったことに苛立ちを感じながら、次にしなければならないことを考える。
まずはこの死体の片付け。
そして、誰から差し向けられたものなのかを探らなければ。
刀の血を拭い、床の間に戻す。
すぐに手入れをしたいところだが、その前に携帯を出して通話履歴から電話をかけた。
「郎さん、千鉱です。少しいいですか?」
電話の相手、巻墨の隊長である郎は千鉱の話を聞くとすぐに駆けつけてくれる。
炭と杢が襲撃者たちの遺留品を確認し、遺体袋に入れる間、何が起こったかを説明した。
「なるほど、な」
郎は、子供の姿に似合わない冷静な声で呟く。千鉱の話からわかることはないとは思うが、あとの二人は実況見分と原状回復作業中で、周囲を調査などはそのあとにするのだろう。
「隊長。遺体の回収、できました」
「サンキュー、炭ちゃん。杢もお疲れ」
杢が両脇に遺体袋を抱えている。炭は千鉱たちの側まで来ると、報告を始めた。
「遺留品に目ぼしいものはなかったわ。刀、そして玄力封じの札とロープ
……
所持品はこれだけ」
「ってことは、近くに車か何かもあるはずだな。ただ、送迎役が別にいたならもう逃げられてるか
……
ま、一応探してみるか」
「コイツらの車から持ち主を探すのも難しそうだしな」
少し離れたところから杢が言う。千鉱に気を遣ってくれているらしい。
「じゃあ、炭ちゃんと杢でソイツらの処理と周辺の捜査を、俺は千鉱の護衛と本部への報告だ」
炭と杢が了解、と声を合わせると二人は背を向けて歩き出す。
「さて、千鉱。報告するから、もう一回話を聞かせてくれ」
すっかり元通りとなった物干し竿に背を向け、郎は縁側のほうへと歩き出した。
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