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kr0mm333
2026-02-03 09:30:47
18313文字
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柴チヒ②
原作後の未来設定で捏造モリモリの柴チヒ(41×20)
柴さんの前からいなくなるチヒロ君の話で、2月のWEBオンリーで展示したいと思ってるものです。
1話ずつ増えていきます。
柴チヒ① (
https://privatter.me/page/6950d1ea15f40
)の続きで、幕間と4話からになります。
続きの柴チヒ③ (
https://privatter.me/page/698c8ed1cd5cb
)はこちら。
最終話まであります⤵︎
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27272245
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五
ーー暗闇を抜けると、そこにはチヒロ君がいた
………………
なんで?
名作の一文のようなフレーズを思い浮かべてしまうほどに、薊は混乱していた。
戦闘なら即座に反応できるが、予想もしていなかった事態に直面しているのだから、混乱するのも仕方がない。
「なんで、チヒロ君と壱鬼さんが
……
柴が、チヒロ君は行方不明だって
……
」
ついさっきも柴とその話をしたばかりで、情報があれば知らせると言って別れたばかりだ。
外に出た際、噂や目撃情報を集めようと思っていたのにまさかそれらをすっ飛ばして本人と再会するなど、誰が想像できるだろうか。
困惑する薊の隣で千鉱と壱鬼が頷いている。
「まあ、そうだろうな」
「まあ、そうでしょうね」
そんな二人につい「二人で同じような言い方してる
……
」と心の中で突っ込んだ。
「ところで、ここは
……
?」
周囲を見回してみると、どこかの玄関のようだった。
玄関とは言っても一般家庭にあるようなものでもなく、六平家の玄関を更に広くしたような形だ。
両側には薊の腰くらいの高さで壁から上り框にかけて設置された大型の靴箱がある。中はほとんど埋まっていないが、千鉱の物以外にも見覚えのある履き物が入っていた。
「立ち話をするのもなんですし、上がってください」
千鉱が促すと、壱鬼がそのあとに続く。対する薊は少し迷い、自分と壱鬼の履き物を靴箱にしまうと二人を追った。
中は広く、板張りの廊下の途中に大浴場や洗濯場と書かれた札のついたドアがある。どこか昭和の空気を感じる造りは、家というより民宿や寮のほうが近いのかもしれない。
廊下に面した窓は開けられていて、そこから温かい風が吹き込んでいた。
春も終わりに近づき、東京では汗ばむような日が続いている。この場所も少し暑くはあるが、都内よりよほど涼しかった。
外は緑に溢れ、ここが山の中であることがわかる。千鉱たちの住んでいた家も山の中にあったが、ここはあの家のあった場所より深い森の中だった。
それからもう少し進んでいくと、千鉱と壱鬼が左側の部屋に入っていく。
扉などは見えなかったが、よく見ると引き戸があるようだ。
中央に十人は座れる長方形の机があり、その上に給湯ポットが置かれている。
壱鬼と薊が腰を下ろすと、いつの間に用意したのか
――
茶菓子と急須、湯呑みを載せた盆を手にした千鉱が現れ、向かいに座った。
急須で淹れた緑茶は抹茶入りなのか、濁った色をしている。壱鬼と薊の前にだけ置かれた茶菓子は紫陽花の形をした練り切りで、青と紫のグラデーションが美しい。
最後に自分の分の茶を淹れてから、小さく息を吐くと、千鉱は薊の方を向いた。
「改めて薊さん、お久しぶりです。ご心配をかけてすみません」
頭を下げると、薊は冷静さを取り戻したようで「
……
事情があるんだろ?」と聞き返す。
「まずはさ、何があったかを教えてよ」
話はそれからだよ、と続ければ、千鉱は小さく頷いてから口を開いた。
「襲撃に遭ったんです」
「何だって
……
!?」
薊にとっては寝耳に水だった。
驚く薊を横目に、千鉱は目を伏せながらゆっくりと話し始めた。
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