ふと、その瞬間があったから、紫鸞は白鸞に顔を近づけた。
白鸞は、意図を探るように首を傾けた。
それを許しと理解して、紫鸞は口を開けた。
牙を見せることはしない。舌なめずりだって我慢した。
白鸞が目を閉じないので、紫鸞も目を閉じなかった。
いただきますとは、きっと言わなくていい。
白鸞の口の中にどんな薬が仕込まれていようとも、怖くはなかった。
紫鸞の口の中に何が待っているのか、白鸞だって知らないのだから。
〜おわり〜
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