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ちよど
2025-08-25 16:34:28
10390文字
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わし様など
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短編化企画(2025年1~7月)
#練習1Pでポストしていた1P小説を短編化したもの。リクエストしてくださって本当にありがとうございました!
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No.8
生前カルヨダ
「わし様が教えてやろう」
ドゥリーヨダナは飲みかけの果実酒を吹き出した。
親友のカルナと実質ふたりで酒を酌み交わしていた最中のことだ。
王子の私的な部屋には大きなラグが敷かれ、豪華な食事や酒。やわらかなクッションがそこかしこに並べられている。そのクッションのひとつに肘を置いて横たわっていたドゥリーヨダナの口元を給仕が慌てて拭い汚れた皿を取り替える。
酒杯に新しい酒を注がれてからドゥリーヨダナは隣に座っていたカルナを見た。
黄金の鎧から生える鋭利なトゲを気にしてクッションに体を預けず、足を揃えて座っているカルナの顔は冗談を言っているようには見えない。
ドゥリーヨダナは目線で給仕達を下がらせた。彼らが全員出て扉を閉める。
今度は本当にふたりきりになった。
それを確認してドゥリーヨダナ口を開いた。
「
…
カルナ。わし様の優れた耳でも聞き間違える事はある。もう一度言うがいい」
「よく獣が重なって揺れているが何をしているのだ?」
その疑問はドゥリーヨダナも持った事がある。まだ幼い頃に。
しかし、カルナは成人男性だ。しかも。
「おまえ、この前子供が生まれたばかりだろう?」
ドゥリーヨダナの問いかけにカルナはほんのわずかに首を傾けた。質問の意味が分からないらしい。
この友が半身故にか浮世離れしているのをドゥリーヨダナはよく知っていた。
「はぁ。はっきり言わねばならんのか。
…
どうやって孕ませたのだ?」
今度の質問にカルナは姿勢を伸ばしドゥリーヨダナの腹部に細い手を置いた。
「願えば出来る」
ドゥリーヨダナは思い切り後ずさった。神話では男が子を孕まされた例はいくつかある。半神であるカルナが同じ事が出来てもおかしくない。
なるほど。脱げない金の鎧を纏っていて不自由がなさそうだったのは、人としての営みを知らなかったからか。
ドゥリーヨダナはカルナの鎧。正確にはその下半身を覆う金の輝きを見た。
「確認するが、それは外せないのだな?」
「オレの一部だ」
断言にろくでなしの王子は思考を巡らせる。天秤の片方にプライドを、もう片方にいろいろな感情とカルナを乗せたところ、皿は意外と簡単にかたりと落ちた。
ドゥリーヨダナは彼に触れるために体を近づけていたカルナを引き寄せる。
「獣が何をしていたのか、わし様が教えてやってもいいぞ」
学びたがりの男の目が輝いたのを確認して、耳元で囁く。
「お前の知りたいことはすべてわし様が教えてやろう。──ただし、条件がある」
「言うがいい」
「このことは誰にも話すな。──ふたりだけの秘密というやつだな」
カルナ相手とはいえ男に抱かれた事を他に知られれば百回憤死してもまだ足りない。一番重要な条件にカルナはためらうことなく頷いた。
「父に誓おう」
最上級の誓いにドゥリーヨダナはにんまりと笑い、カルナの顔をこちらに向けさせた。唇をあわせる。猫のように目を見開いた恋人にドゥリーヨダナは笑った。
「キスも知らんのか。ふふ」
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読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
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