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ちよど
2025-08-25 16:34:28
10390文字
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わし様など
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短編化企画(2025年1~7月)
#練習1Pでポストしていた1P小説を短編化したもの。リクエストしてくださって本当にありがとうございました!
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No.4
ビマヨダ
「召喚祝いだ」
先輩サーヴァントから投げ渡されたペットボトルに、召喚されたばかりのドゥリーヨダナは内心眉を寄せた。
PUに狂乱したマスターが召喚陣をまわしまくったため、ドゥリーヨダナはすでに聖杯を現界まで注がれ金フォウもコマンドカードもたっぷりつけられている。
そんなドゥリーヨダナが強化室から出てくるのを先輩サーヴァント達は待ち構えていたのだろう。廊下には少なくない人数のサーヴァント達が立っていた。
ドゥリーヨダナはペットボトルを片手にぐるりと彼らを見渡す。返される様々な表情に恥をかくのを嫌う彼の勘がこれが罠だと告げている。
だが、どんな罠なのかが分からない。聖杯知識をフル回転させるがペットボトルの中身は炭酸ではなくただのオレンジジュース。軽く触れた蓋は開封された形跡がない。
炭酸を吹きこぼれさせるわけでもなく、異物を混入したわけでもない。
彼らの意図が読めず、ドゥリーヨダナは慎重にペットボトルの本体を片手に持ち、もう片手でゆっくりと蓋を回す。
ぐしゃ!
辺り一面に液体が飛び散った。
オレンジジュースに塗れて立ち尽くすドゥリーヨダナの手の中でペットボトルが握りつぶされている。
蓋を開けようとほんの少し力を加えた。ドゥリーヨダナの主観ではそうだが筋力Aのほんの少しに安いペットボトルが耐えきれず変形し、蓋を開けた途端内圧が弾けたのだ。
オレンジジュースにまみれたドゥリーヨダナはにやにやと笑う先輩サーヴァント達を黙って見回す。
なるほどこれは新人の通過儀礼なのだろう。サーヴァントとしての力の加減を忘れるな、と。
サーヴァントの力の前ではマスターの腕などペットボトルも同然だ。
その事をご教授してくれた先輩サーヴァント達にドゥリーヨダナはゆったりと微笑んで手を差し伸べた。
「おかわりだ」
怪訝そうに手渡された新しいペットボトルをドゥリーヨダナは片手で受け取る。そして親指のみで蓋を飛ばしてみせ、1滴も零さず悠々と中身を飲み干したのであった。
そして数カ月後、新たに召喚されたビーマにドゥリーヨダナはペットボトルを投げ渡した。
「なんだこれは?」
「召喚祝いだ。──森ゴリラは聖杯知識も検索出来んのか?」
ビーマが受け止めたペットボトルがめきりと音を立てる。ドゥリーヨダナは内心にたりと笑った。
ドゥリーヨダナが先輩サーヴァントから受け取ったのはオレンジジュースだったが、彼がビーマに渡したのは汚れが落ちにくいブラックコーヒーだ。
見たところ、召喚されたばかりのビーマはこちらの意図に気づかず眉を寄せている。
「おまえが召喚祝いだぁ?」
不審そうにビーマが目の高さに上げたへしゃげたペットボトルには細工は何もしていない。しばらく眺めていたビーマは異常を見つけられずペットボトルの蓋に手を掛けた。
きらり、
ドゥリーヨダナの目が輝く。
ぷしゅり、
蓋が回されたペットボトルから液体が吹き出し。
大口を開けたビーマの体内に吸い込まれていった。
「
………
ずるいっ!!」
ドゥリーヨダナが叫ぶ。ビーマがごくごくと飲み干したペットボトルから口を離した。
「なんだ。ただの飲み物じゃねぇか。──俺の胃袋に片付けるまでもなかったな」
「ずるい! ずるい!! ずるいぞ! ビーマ!!」
喚き立てるドゥリーヨダナにビーマはぺろりと唇を舐めた。
「召喚祝いなんだろう? ──ごちそうさま」
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読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
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