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ちよど
2025-08-25 16:34:28
10390文字
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わし様など
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短編化企画(2025年1~7月)
#練習1Pでポストしていた1P小説を短編化したもの。リクエストしてくださって本当にありがとうございました!
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No.1
ビマヨダ
「簡単には死なせない」
聖なるかな。聖なるかな。聖なるかな。
荘厳な裁判所は光に満ちていた。天井の精緻なステンドグラスからは陽光が降り注ぎ、白い壁には人類が歩んで来た歴史が勇壮に描かれている。
争いの歴史だ。
光輪を背負った裁判官の両脇で羽根の生えた赤子が謳う。
『命を奪うことは罪である』
『他者から奪うことは罪である』
木槌が高らかに鳴り響く。
「よって、お前達が勝利したことは罪である」
断罪の特異点に招かれたのは当初マスターだった。7つの異聞帯を滅ぼした罪をまたも突きつけられたマスターの代わりになったサーヴァント達は被告人席で沈黙を保っている。
カルデアにいるサーヴァントの数は多いが被告人として選ばれたのは数人だ。その中にはビーマの姿もある。
そしてなんとか被害者として傍聴人席に入り込めたサーヴァント達の中にはドゥリーヨダナの姿もあった。
ろくでなしのドゥリーヨダナは傍聴席でふんぞり返って被告人席のビーマを嘲笑っていたが、裁判官の判決にその表情が変わる。
「死には死を。よって被告は霊核を砕き現界を永遠に禁止するものとする」
ほっと胸を撫で下ろしたのは被告人の1人だ。
「まあマスターでも同じ判決が出ておっただろうな」
「我々でよかった」
「マスターは人間だからなあ」
納得している被告人達にドゥリーヨダナは立ち上がった。
「納得いかーん!!」
人々の視線が集まる。その中心でドゥリーヨダナは胸を張ってビーマに言い放った。
「わし様を殺した責任をとれ」
彼らが裁かれているのは『勝者』だからだ。ドゥリーヨダナを殺した為に被告人席にいるビーマが口を開こうとするのを木槌の音が遮った。
「判決は確定しました。彼らは──」
「ぬるい! ぬるすぎる!!」
今度はドゥリーヨダナの大声が裁判長を遮った。
「死刑? そんな生ぬるい事で許されるものか!」
あまりの言いようにドゥリーヨダナと同じく傍聴席に侵入したサーヴァントが彼の腕を引っ張る。
彼らは被告人とされている仲間を助ける為に潜入したのであり、断罪しに来たのではない。
その掴まれた腕を振り払ってドゥリーヨダナは続けた。
「罪の軽重は被害者のためにあるべきだろう? ならはあやつの判決を下すのはわし様であるべきだ」
確かにそれは一理ある。大概の敗れた側は死者となっているため意見を聞くことが出来ないが、影法師として蘇ったサーヴァントなら口があるのだ。
ドゥリーヨダナの言い分に裁判長は問いかける。
「ならば、あなたはどのような判決を求めるのです?」
その質問にドゥリーヨダナは凶兆の子に相応しく笑った。
「わし様の奴隷にする。死ぬまでこき使ってボロボロにしてやるとも!」
「おじさんもその方がいいねぇ」
ドゥリーヨダナの主張に乗ったのはトロイア戦争の敗者ヘクトールだ。
軍師でもある彼はドゥリーヨダナの意図に気づいたのだ。
すなわち。死刑ではなく、罰という形で彼らの身柄を預かればどうとでも出来るということを。
ヘクトールの目はアキレウスに向けられている。
「半神ならそうそう死なないだろうし」
ヘクトールの言葉に察しの良い者が次々と同意の声を上げた。彼らは口を揃えて訴える。
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読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
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