Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
akinoshiroihana
2025-04-14 21:35:33
12874文字
Public
Clear cache
名刺置き場2
2022入院中ゲッター
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
チェンゲと東映と春デスネー
『俺達をバラバラにしやがって!』
補強して塗り替えてやる暇もなかった旧車両が、タイヤだけ悪路にも対応するのに履き替えさせてもらって今も現役なのだという
「変わる暇もなかったってのかね」
そう呟く竜馬の、タワーの眼下、桜の立木の残るばかりの更地に、救護班として往時そのままの塗装の救急車が駆け付けている。満開の淡い色の花雲の下、威嚇で剥いた牙のような赤い光を振り撒く白い
―――
今は嘗てのなめらかな純白を失って久しい車体、その老残か古傷にまみれた姿に彼は舌打ちする。
あの夜、窓を開け放ってももう少しも寒くなくなった夜、だから待つというでもなく窓辺で彼の遅い帰りを待った。
寮の一階の柱時計が二度鳴った辺りで、牡丹燈籠の代わりに満開の花の下、砂利道を踏みしめる音がした。いつしか降り始めていた雨に真っ白い傘が見えた。濡れるのもお構いなしでバイクで帰ってくる相手ではなかったらしいことに変に安堵しつつ、万に一つだが武蔵を起こしてしまわないよう用心しながら、闇のなかに呼び掛ける。
「はやと」
割けた雲間の月光、目に見えるようになった雨粒の軌跡、音、夜のいっときだけ色を取り戻したそこで、いつもの姿の彼は目を閉じ、傘を放り出しそうに両手を広げて満開の夜の気配を嗅いだ。赤が緋毛氈のそれのように花の下に映えるのを彼は春の夢のように胸に刻んだ。
「変わり果てるものもあるさ」
背後からの言葉の主は、咲いてみせたあの夜を忘れていないだろうままにそう返してきた。
好きも嫌いも情も思いもただそのままにあれた、だからそのまま静かに手放した日々、春の夜の夢、花の下に咲く赤と白、
いとおしさ
かつてバラバラにされたもの
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内