akinoshiroihana
2025-04-14 21:35:33
12874文字
Public
 

名刺置き場2

2022入院中ゲッター


●ネオゲリョハヤは会いに行っててもいいような気がする
これ後で名刺2,3枚にしたいです

梅雨(お湿り)がそろそろ終わっちまうぞ、夏が来る
何度目かの訪問で、そう言いつつ隼人が濡れそぼった雨傘を畳むでもなく玄関脇に転がしたのは、もう一方の手が塞がっていたせいだ。道すがら折り取って来たらしい濃い緑の枝と赤い実の名前は知ってる。脂(やに)みたいなのを纏ってる上に、道に落ちては血より真っ赤に潰れ、甘い果肉は中から白い蛆を沸かせてみせるから、纏いつかれてしまいには手刀で切り飛ばしたんだろう
もう泣き飽きるたぁ、お天道様は薄情だ
違う、いろいろ見えちまうとこにいるから忙しいのさ、多分な
そうかい、お前もそうなのかい?
座り込んだまま、その手から枝をひょいとひったくり、その実を口に含めば
あざやかに赤くも若すぎる実はまだ苦かった

手を引かれた拍子にこっちに屈みこむようになった同じ色のシャツのせいで、ひときわ白く見える隼人の胸元から、肌身外さない十字架が傘の柄を伝いその肩をじくじくぬらしていたのだろう水滴と一緒にこぼれて揺れて、その墓標の形が俺達の視線の間で揺れた。しずくが輝ようて俺達の間に落ちた。

「すまねえ、おれはもうあいつに乗らん」