モシモウマレカワッテモ
なんだい人間になるの大前提でそれ言っちまうか
ミジンコとかにはならないのかい?
そうだな、三井寺の僧の話みたいに時を遡行しての転生、同じ魂が同時空でともに存在することもあるとしたら、俺の作戦の犠牲になった連中の誰かになりたいよ。どこの生まれでどんな家庭で小さい時の夢は何だったのかぐらいまでしか聞かせてもらえなかった奴らの人生を生きてみたい。初恋の相手は夫は母は、それを何度も死んで生まれ変わってじゅんぐりに廻ったら、俺のせいで死んだ、俺に殺された奴はみんな俺だったことになって多少の供養か詫びになるかもしれねえ
「てめえの為に死ぬ覚悟してきたやつがキャッキャ言って増えちまわぁ馬鹿」
覚悟して行った者ばかりじゃねえ、いったい何が起きているのかもわからねえ、いやだ死にたくないと叫んでいた、巻き込まれた非戦闘員だらけの事件だってあった、お母さんと泣いてるアイドルの女の子だっていたさ、ああ、そうだあの事件だよ、高校の制服が可愛いとこにだからマネージャーに頼んで見せに来たって言ってたな、こんなとこで死ぬのいやって
「久しぶりにあの歌聞き直したくなったじゃねえか」
あの子にゃ好き嫌いも興味もクソもだったろうが、最期の瞬間の視界にてめえがきっちり映ってるなんて、ちょいとだけあやかりてえよ
俺達ゃ一緒にくたばれるのと引き換えで、最期のてめえはどう頑張ってもモニター越しだい
いつか が消えてなくなる前に
もっと が好きだと伝えなきゃ
***
「おい隼人、あれ歌ってたのジョシコーセーじゃなかったぜ、今も元気で今年五三」
「えっ」

●リョウ
(多分、「坂本龍馬の妻はお龍!」からアニアクでは命名してしまった拓馬マッマなんでしょうが、ゲッターでリョウつったら竜馬自身だしダイナミックでは有名どころ複数の男性名じゃんんん、とは。
あとマッマの言ってること胡散臭すぎる説に言われてみてなるほど。竜馬との間にちゃんと愛が芽生えた説の二次も支部ではブクマさせて戴いてます)
何やらおかしな匂いじゃないか
誰か
―――何か、が、なりふり構わずあいつの被爆した種か遺伝子
―――記憶箱を欲しがったのかもしれん。別にそれであいつを取られたとなどは思わんよ。
だがその女の名前は、本名で名乗っていなかったとしたら、誰にも立ち入ってもらいたくない所を軽々に踏み荒らしてくれたものだ。
『リョウマ』の女は『同じ上り竜の龍(りょう)』か?ははっ、あいつの名は上り竜ではなかったじゃないか、そんな御立派じゃないくせに亢竜に化けてしまったのだよ
この世界は狭いようで時折さみしくなるほどには広いが、俺にとって俺達たちにとって「リョウ」と呼ぶのはただ一人でな
あいつから奪ったというのか?あいつを最も信じる者たちからの呼び名を?
なにやらとてもキナ臭いじゃないか
●
広場に転がるレモン、倒れた男、スナイパーに撃たれて
ただレモネードを売っていたとしても実は「テロリストかもしれない」
ただの花火を持っていたこどもの死
「テロリストだ!」大臣はそう叫んだ
テロリストになりうる子を産む可能性のあるもの
育てる可能性のあるものすべてテロリストと呼ぼう
石畳の血溜まり倒れた少女、ただ背を向けコーヒーを飲む兵士
『正体は、みなテロリスト』
『闇の獣』
何を背負わせてもいい呼び名
『気付いて、貴方たちはみな人間でなどないのだと』
朝のだろうか、しらじらとした光の中、土でもアスファルトでもない粉砕されたどこかの道の端、小さな体を丸める子猫、死んでしまった親猫の傍で
『食べないでね』
子猫を抱き上げる小さな手、子供の声
『僕が先に死んでしまってもお願い食べないでね、その時は一緒に死のう』
冬を耐え春が来て心にはまだ優しさがあるのに、ささやかな願いと言えばそんなかたち
おそろしい飢えと乾きの中で
大学も礼拝堂も病院も
かつて壁無き都市と記された美しい海辺のその町その空も地もすべて砕かれて
ダーク・デス
生き残るには星を捨てるしかない
『汚い死が文化文明全て腐らせたあとは、我々人類の土地となる』
懐かしい友がそう言っている
小さな叫びと共に彼は跳ね起きた
研究所内にあてがわれた自分の寝床で
嫌な汗にまみれたままそれを拭うことも思い出せぬまま
おれたちは、ただ、ころされないためだけに、たたかっていたんだろ?
人生のほんのときおり、だがおれたちのすべてのまことをささげて
垣間見せられた、この後は
それは、ただの みなごろし
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