現パロ転生(雑伊♀️)



(※こへ長要素あります)

一方、私は伊佐子の夢の話を聞いて動揺していた。恐らく伊佐子が見た夢は彼女の前世である善法寺伊作の死因だろう。けれど私は彼女の死因については覚えていないのだ。

スマホを手に取り、先日連絡先を交換した中在家長子にメッセージを送る。
『善法寺伊作の死因は覚えているか?』
『何かあったのか?私達の中で一番早く死んだのが伊作なのは覚えているが』
『私と同じか伊佐子が私に夢の話をしてくれたんだが、それが善法寺伊作の死因ぽくてだな
『それで知りたい訳か。わかった、小平太と文次郎にも聞いてみる』
『そこまでしてもらうわけには
『文次郎は忍術学園の教師をしていた男だ。私より情報を持っているはず』
こうと決めたら貫く感じは前世と変わっていないな。
『わかったそっちの連絡は頼む』
『またわかり次第連絡する』
そんなやり取りをして、昼休みが終わった。

そして放課後。
長子からメッセージが来ていた。
『今日の17時くらいから時間はあるか?』
『大丈夫だ、部活もない』
『二人に連絡が出来た。文次郎は小平太の家で宅飲みする予定らしいから、今日は私と一緒に帰ろう』
『わかった』

長子と校門で待ち合わせて、小平太の家へ来た。案内されたのは普通の一軒家で隣の家には中在家の表札が。本当に家が隣同士なんだな
「ここだ。入るぞ」
長子はピンポンを押して、玄関のドアを開ける。
「長子ぉぉ!」
すると黒い影がギュッと長子を抱き締めた。
「小平太人前だ、離れろ」
「あーすまん」
どうやら黒い影は小平太だったらしい。髪は少し短いが、こいつは前世とあまり変わらないな。
「そっちが仙ちゃんか!女になっても美人だなぁ!」
どうも」
「文次郎も中に居るからリビングに行こう」
小平太に案内されてリビングに入る。
「文次郎、長子と仙ちゃんが来たぞ!」
「おう」
案内されたリビングのテーブルには相変わらず老け顔の文次郎と小学生くらいの男の子が居た。
「文次郎、その子は?」
「俺の弟。前世の話をするなら、こいつも居た方が良いと思って連れて来た。ほら、自己紹介しろ」
潮江留三郎、10才」
ふてくされたように言う男の子。その名前を聞いた私達は驚く。
「え?」
「留三郎は文次郎の弟になっていたのか
「私も最初に聞いた時は驚いたぞ」
「だから嫌だったんだよ、自己紹介するの」
「確かに伊作の話をするなら留三郎は居た方がいいな。お前、前世の記憶はあるのか?」
私は笑いながら聞く。
「あぁ、悔しいことにバッチリある」
「こいつ産まれた時から前世の記憶があったらしくて、俺が抱っこしようとしたら暴れたんだよ。それで俺も前世の記憶を思い出した」
「なるほどな」
そんなことを話していると、キッチンから長子がお茶が入ったコップを持って来てくれた。
「麦茶を淹れたから座ってくれ」
「ありがとう」
私は長子の言葉に甘えて席に座る。
「とりあえず皆揃ったし、乾杯でもするか!乾杯ー!」
小平太が笑いながら言う。
「「乾杯」」
少しぎこちなかったが私達は乾杯をした。年齢は少しバラバラだが、こうしてかつての仲間が揃ったのは嬉しい。

「議題は伊作の死因についてか留、お前わかるか」
「いや、俺もよくわかってない。だが俺が忍術学園で教師してた時に雑渡昆奈門が学園長先生に会いに来て、その時に伊作の死を告げられたのは記憶にある」
「留三郎、お前教師をしてたのか!意外だな!」
「こいつが来るまでだけどな。なんで驚いてるんだよ。こっちも大変だったんだぞ」
文次郎を指さして言う留三郎。
「アイツは伊作の死だけ告げて、墓の場所とか肝心な所は教えてくれなかった。多分伊作の遺体を持ち帰って自分の領地に埋めたんだろうよ」
なるほどな。それなら雑渡昆奈門の執着にも納得がいく。情報感謝する」
それでお前はどうするんだ?」
文次郎が私に尋ねる。
「私は伊作に普通の女の子として過ごして欲しいと思う。けどそれは私のワガママだ
「別に仲間の幸せを願うのは当たり前の事だろう」
「文次郎
「そうだ!せっかく皆揃ったんだ、メッセージグループ作ろう!」
しんみりした空気を打ち破るように小平太が言う。
「え?」
「また何かあれば私達に相談すれば良い!今回みたいにな」
小平太にそう言われ私達はスマホを出して、メッセージアプリのQRコードを出す。
私達が生きた時代は文を届けるのにも時間がかかったが、現代の通信技術の向上は素晴らしい。

「そういえば時間大丈夫か?」
長子に言われて、時間を確認するともう19時前だった。
「そろそろ帰らないとな
「わかった、駅まで送ろう」
「文次郎、お前も長子と一緒に行け!」
「なんで俺が?」
「女二人だと危ないだろ?保護者代わりだ!帰って来たら酒飲めるようにしておくから行ってこい!」
小平太に蹴られるように部屋を追い出される文次郎。

三人が出て行った部屋で、小平太は留三郎と話す。
「留三郎、お前『呪い』って漢字のもう一つの読み方は知っているか?」
「『まじない』だったか?」
「当たりだ!」
「いきなり問題を出して、何のつもりだ?」
「これは私の推測なんだが長次、仙蔵、伊作。今世が女性になっている3人には共通点があると思っている」
「共通点だ?」
「仙ちゃんは自分の事を話さなかったし、伊作に関しても話を聞いての推測だが、あの3人は『人に殺されて死んでいる』」
「伊作と仙蔵はわかる。長次は遠くの城に就職したはずじゃあ
「私の就職した城と長次の就職した城は実は仲が悪くてな戦になった。戦が終わった後、すぐに長次の元に駆けて行ったが死にかけだった。だから私は長次に言ったのだ『来世では幸せになろう』と!つまり私は長次に愛という名の呪いをかけたのだ」
「おぅ
「けれど愛ほど重い呪いはない。雑渡昆奈門は伊作にどんな呪いをかけたんだろうなまぁ、全部私の推測だが!」
「怖いこと言うなよでも案外当たっているかもな。けどその話は長次にはするなよ!引かれるぞ」
「そうか?逆に喜ぶと思うけどなー」
「相変わらずお前らはよくわからん

一方、私と長子、文次郎は駅まで歩いて向かっていた。
「なんで文次郎まで着いて来るんだ」
「家主に追い出されたんだから仕方ないだろう。お前最寄りは?」
「○○駅だ」
「ここから2駅だな。寄り道せずに帰れよ」
「親父か!」
「まだピチピチの24才だ!バカタレ!」
「変わらないな
長子の一言で、言い合っていた私達が静かになる。
「確かに」
「皆の前だとつい気を抜いてしまうな
「別に良いだろ。俺達は年齢はバラバラだが仲間なんだから気にするな」
「まさか文次郎からそんな臭い台詞が聞けるとは思わなかったぞ」
「おい!どういう意味だ」
前世の振りの下らない会話に花が咲いていた。