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こꯓレ)ろ🌟🦄🌈🌟
2025-02-24 13:44:23
28813文字
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ハイノイほにゃっと小説
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クピードーの記憶②
続きです。
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「僕だってあの場に残りたかった。子ども達が一緒じゃなければ絶対に一人で残したりしなかった。アーニーが死んだと思った時、世界なんかもういらないと思った。ユニウスセブンを落としたやつの気持ちがよくわかった。アーニーがいない世界なんか滅びていいし、アーニーを殺したやつを殺せるなら地球が割れてもよかった。テロの犯人はコーディネイターだ。プラントをひとつ残らず地球に落としてやりたかった。本気だ! でも、それでも、ナタルとソーマが泣いてるから僕が泣くわけにいかなくて、アーニーが、ナタルとソーマを守ってと言ったから僕は二人を連れて逃げたし大切な二人が助かって本当に良かったと思ったし、ナタルとソーマが、コーディネイターとナチュラルが一緒に幸せになれる世界が作りたいってアーニーが言ってたから世界を滅ぼすのも我慢したんです! 僕のことを忘れてたって良い! 一生思い出さなくてもいい! 少しずつでも僕を知って、僕の作ったもので喜んでくれて、いつか笑ってくれたらそれだけでいい。何なら僕が二人分愛してるから、愛してくれなくてもいいから
…
僕の前からいなくならないで
…
お願いです、アーニー。ごめんなさい。許してください
……
」
一気に言ったハインラインのきれいな顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃで、再会した時のソーマと少し似ていた。ここまで泣き崩れると大人も子どもも関係ないんだな、と冷静に考えてしまうノイマンだった。
「ウッ
…
ぅッ
…
」
ハインラインは正座のまま、正面にしゃがんでいるチャンドラの着ているモルゲンレーテのオレンジ色のブルゾンの二の腕の辺りを力無く掴み、俯いて泣き続ける。
涙がぼたぼたと床に落ちて、白い大理石のタイルに水たまりをつくっていった。
ハインラインの嗚咽だけが響く数秒間を経てチャンドラが言う。
「せ、せんせ〜! ノイマンがアルバートくん泣かせちゃってまーす!」
ハインラインに泣かれて困り果てたチャンドラ、ボケる。コノエはこのタイミングでふざけたチャンドラに、思わず吹き出していた。
「ふふっ、
…
はぁ。ダリダには敵わないな」
「だって
…
アルバートも悪かったけど、ちゃんと反省してますから。もういいでしょう? ノイマンも怒ってないって言ってるし」
「わかったよ」
コノエの怒涛の説教タイムは終了で良いらしい。ノイマンもホッとしたし、横で自分のハロを抱えて涙目になっていたソーマも小さく「アル父さん、よかったぁ
…
」と呟いていた。
あんなに怒っていたのにチャンドラが少しふざけただけで機嫌が治るとは。コノエは相変わらずチャンドラに対してだけチョロすぎである。
チャンドラのおどけた様子にすっかり毒気を抜かれたコノエがハインラインに話しかけた。
「アルバート、気持ちはわかるがとりあえず世界は滅ぼしてはいけない。プラントを地球に落とすのは禁止だ。実際やれそうで困る」
「やれます!」
「やれんのかよ!」
「やるなよ!」
ハインラインは勢いよく顔を上げて力強く宣言したので、ノイマンは思わず突っ込んでしまったが、そのタイミングがチャンドラとピッタリ同じだったので顔を見合わせて笑ってしまった。
「アーニーすみません
…
本当に
…
今日は気が動転して。もう二度とあのようなことはしませんので離婚は考えなおしてもらえませんか」
コノエの説教タイムは終了したが、今度はハインラインがノイマンの前三メートルの距離を保って懇々と謝ってくるターンに入った。
「僕はしばらくこちらには来ません。メッセージや通話も控えます。
…
ただ、子ども達は会いたいと思うのでこれまで通りチャンドラ家で面倒を見てもらえませんか」
先程の狂暴な態度から一変、しおらしくなってしまった。ノイマンに嫌われたくないと必死で言葉を選んでいるのがわかる。
先ほどの熱烈な告白を聞いた後で、今更ハインラインの気持ちを疑う理由もない。何せ世界より、全人類よりノイマンを取ると断言する男だ。愛が重いにも程がある。
これまで続けていた朝夕だけの挨拶も、本当は毎日会いたいし、触れたいし、もっと話したいのにずっと我慢してきたのだろう。
ハインラインの愛が重いのは結婚する時に思い知ったはずだったのに。
結婚前に、彼の実家から圧力をかけられ、自分はハインラインに相応しくないと思い詰めて置き手紙をして逃げた時もこんな風にキレていた。あの時はミレニアムをハイジャックしてアプリリウスに突っ込むと言っていた気がする。
ノイマンは宇宙港で一人になって、瓦礫に挟まった足を見て一瞬躊躇したのを覚えている。操舵士としての未来を捨ててもハインラインのために生きることを選んだが、操舵士じゃなくなったらハインラインの愛を失うんじゃないかと怖かったのかもしれない。
愛する人に捨てられるのが怖くて、愛された記憶を心の奥に封じ込めていたのかも。ハインラインがそんなことくらいで自分を見限るわけはなかったのに、悪いことをしたな。と罪悪感を覚える。
……
が。
「アーニー
…
? あの、何か言ってもらえませんか
…
僕と話したくないのは理解できます。せめて離婚についてはしばらく猶予すると、ひと言だけでもアーニーからの約束が欲しいです
…
期限付きでも良いので
…
あの
…
挽回のチャンスを一度だけ、どうかお願いします
…
」
気付けば、ハインラインは顔の前で合わせた手を握りしめ震え声でノイマンの言葉を乞うている。急に記憶を取り戻して色々と考え込んでいたノイマンが無言になってしまったのを、怒りから無視されたと捉えて焦り傷ついているようだった。
今、このタイミングで記憶が戻ったとは言い出しにくいな
…
と思ったノイマンはとりあえず「わかりました」という、どの様にでもとれる曖昧な返事をするのだった。
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