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さもゆ
2024-11-15 22:32:32
35495文字
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BF
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【BF腐】もったいないまとめ
全部ちぎれちぎれの雑多、ワンシーン、落書きなので、私のためのまとめみたいなもんです…。なんでもいい、って人しか見ちゃ駄目。
2019.10.2 たまごのお粥pixiv投稿作品
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2019.0703
ショ英、おめがば学パロ
英二のぼうっとした瞳は高い気温のせいだけじゃなく、明らかに内的要因を示していた。
甘ったるい、他人の体温を上げる、スパイスの効いたにおいが鼻腔をくすぐる。ショーターはすんと鼻を啜って、その香りを胸まで落とし込み、血が熱くなるのを感じてああやっぱりと溜め息吐いてから、正面の腕をようやく掴んだ。剥き出しの肌は熱を持っていた。
「薬、飲み忘れたのか?」
サングラスをずり下げて見ると、唐揚げを頬張っている顔は赤く、こめかみには汗が浮いている。
もぐもぐごっくん。昨日の夕飯の残りだと言っていた大きめの唐揚げを飲み込み、英二は困ったふうに眉尻を下げた。
「いや、飲んだよ。
……
また? あれ身体に合ってないんだな
……
」
「ああ。明らかにきてる」
「ちょっと熱いとは、思ってたけど」
「なんでそこで気づかねえんだよ」
「きみと身体を取り換えれば、分かって貰えると思うんだけどなあ」
「保健室行こうぜ」
腕を引っ張りつつ立ち上がった。
早めに離れた方がいいだろう。席替えをしてから、英二の席は人の多いほぼ真ん中の列になってしまったし、きっとこのにおいに気づいている生徒もいるはずだ。このクラスにアルファはいないが、ベータでも、オメガのにおいに誘われることなんてざらにある。
英二はちらっと机に広がる自分の弁当を見下ろす。
「まだ食べてない」
「食い意地」
「朝練と体育もこなしたんだぜ。放課後にも部活がある。正常な男子高校生の胃袋──」
「わーかった、分かった」英二の外見からは予想外の大きさの弁当を手早く包むと、ショーターは今度こそ熱い腕を引っ張って行った。
彼を発情期のあるオメガだと診断したのは学校側のくせに、一番保健室から遠いクラスにしたのは配慮が足りていないと思う。
保健室までには、長い廊下を歩き、階段を三回下りて、それからまた端まで廊下を歩かなければならない。
その頃には、英二の方でも自覚できるほどに症状が進んでいる。
「ショーター、」
三回目の階段をなんとか下り、廊下を半分行ったところで、英二が支えられていた腕を揺すった。
「ごめん、離してくれたほうが、いい」
身体を支えていた腕を離すと、くずおれてしまうんじゃないかと不安に思ったけれど、ショーターは慎重に言う通りにした。においが、鼻をくすぐってきた。シャツが肌に張り付く感じがする。「ごめん、ありがとう」英二は壁伝いに歩くのを再開した。その後を、いつでも助けられるようについていく。
「なんかさ、ショーター」
声は気丈だった。こういう時、いつもそうだ。
「なんだよ、英二」
「僕は、きみと幼馴染みで、すこぶる良かったなって」
「ほーう」
「きみったら、いつも助けてくれるし、無駄に甘やかしては、こないし」
「アメとムチの使い手と呼んでくれ」
「僕がオメガでも、なんにも変わらずだし」
「そりゃな。なんでもいいんだよ、そんなもんは」
「僕も
……
そのつもり、なんだけど」
英二の膝から緩やかに力が抜け、蹲る。「おい、」ショーターは背中に手を置き、肩を貸そうと動いた。
「でも、」
その時、汗に濡れ、垂れた黒髪の隙間から覗く、熱に浮かされた両目と目が合った。
「こういう時、
……
きみのシャツを、無理やりに引きちぎっちゃうんじゃないかって、怖く、なる」
……
オメガは。
オメガは発情期を迎えると、誰彼構わず発情の対象にしてしまう。たとえ、それが、友だちでも、傷つけたくない人でも。
アルファはそれを制御することができる。番になってしまえば、オメガの全てはアルファのものだ。
では、ベータは。
ベータは、きっと、守ることができる。オメガの本能と、アルファの本能から、理性的に。守りたいものを、守ることができる。
ショーターは英二を守ってやりたかった。
「お前に、そんなことできるわけないだろ。万が一そうなっても、俺が負けるかよ」
よっこいせ、英二に肩を貸し、ついでに濡れた黒目にサングラスを被せた。
影響がないわけではないのだ。においも、体温も、こちらの頭を侵していく。少しだ。馬鹿になるほどではない。
でも、あの黒目は、駄目だった。
「本当に、きみが友だちで、よかった」
「保健室まで、弁当と一緒に送り届けてくれるし?」
「はは、
……
玉子焼きあげる」
「唐揚げもよこせ」
「強盗だ」
強盗か。
もし、英二の全てを制御できるアルファが現れたら、自分はどうするだろう。合意ならなんでも構わない。しかしそれが不合意なら──相手を強盗だと恨んで、彼を守るため、シャツを引きちぎるより酷いことを仕出かしてしまうかもしれない。
ショーターはそんな日は来ないという、確証が欲しかった。
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