さもゆ
2024-11-15 22:32:32
35495文字
Public BF
 

【BF腐】もったいないまとめ

全部ちぎれちぎれの雑多、ワンシーン、落書きなので、私のためのまとめみたいなもんです…。なんでもいい、って人しか見ちゃ駄目。

2019.10.2 たまごのお粥pixiv投稿作品


2019.0320



ショが英を血だらけになりながら守る場面を書きたかったはずなのにそんなに血だらけじゃない



ショ英、ふぁんたじーだよ! 守る場面!






 こいつだけは何がなんでも守ると決めていても、耳元でキャーキャー叫ばれるのはご勘弁願いたい。

 ショーター・ウォンは走っていた。
 喉奥から血の味が湧き上がる口を噛み締め、肩に担いだ身体をしっかり抱き、とかくこの狭い路地から抜け出ようとひた走る。
 ショーターが見ることのできない後ろを向くしかない英二は、振り落とされないよう必死にしがみつき、何度目か分からない悲鳴を漏らした。
 うひゃあっとか、キャアッとか、こちらが一生かかっても出せないような甲高い声に、堪らず喚き返してしまう。
「頼むからもっと静かに叫んでくれ!」
 かなり無茶なことを要求したのは分かっていて、言われた方も「ごめん分かった!」ととりあえず勢いで了承したのち「いやあ! 無理!!」すぐに無茶な要求だと気づき撥ね退けた。耳元でキンキン響く声に閉口する。仕方なかった。奥村英二はこういうことに慣れていない。
 こんな生死の関わる逃走劇に、まだ慣れていないのだ。
 英二の悲鳴を助長させ、しかし押しのけるように、地面と壁を削り取りながら気配が迫ってきている。ショーターは今度こそちゃんとした応えを得るため、担いでいる英二の背中を促すように叩いた。
「英二! 後ろどうなってる」
「えっ!? うわわわ、壁が、壁が豆腐みたいになってる」
「距離的にはっ?」
「追いつかれそう」
「くそ!」
 走るスピードを上げる。このままじゃまずい。人ひとりが駆けるので限界なこの狭苦しい路地では、あまりに分が悪かった。ぎゃりぎゃりと耳障りでゾッとする音が段々近づいてきている。「ショーター」比例して英二の声にも水気が含まれて来て、自分の後ろは今絶望的な光景なのだろうと嫌でも察せた。
 機械やら武器やら動物やらを融合した気色悪い敵が、左右の壁と地面を破壊しながら追いかけてきているのだ。ああ全く絶望的だ。何がって、狭いのがいけない。
 縋る思いで頭上を見る。青空は遥か遠く、更に地上から阻もうと配線や管で景観がすこぶる悪かった。できることは広いところまで走り続けることだけ。益々最悪だ。
 しかし一等最悪なことは自分が英二を守れなくなることなので、幸いまだ希望はある。「英二」「何っ?」「たぶんもうすぐで出口だ。頑張れるな?」「ああ、もちろん、うん。頑張れる、頑張る」「よしいい子だ」ほぼ同い年にいい子も何もないが、自分より幾つか年下に間違われる相手だし実際いい子なので構わないだろう。悲鳴はやかましいが。それでもなんとか堪えようと呻く姿勢は健気以外のなんでもない。
 後ろで盛大に崩壊の轟音がした。英二が叫ぶ。「ああ!」「なんだっ?」「壁が崩れた! あいつ埋まったかも」
 敵は図体がでかく冒涜的だが、何本もある足がそれほど速くないのと、あるのかないのか頭脳が弱いのが救いだった。噴煙と砂埃が追い風の如く背中を押してくる。ごほっ、英二が噎せた。ずり下がったサングラス越しの視界に、やがて路地の出口が映る。
「よっしゃこのまま行ったら、」 
「ショーター!」 
 あと十数歩。
 耳元で呼ばれた名の意図を正しく読み取ったショーターは、きっと英二にとって正しくない(俺にとっては大正解な)行動に移した。
「舌ァ噛むなよ!」「えっ――」抱えていた身体を腕が軋むほど持ち上げ思いっ切りぶん投げた。「いやっ、ショーター!」ぐえっ。忠告してやったのに舌を噛んだ様子で、そして宙を飛んだのは僅かですぐに路地の出口の地面に激突する。あれは絶対にどこか怪我をしただろう。申し訳ない。本当は傷一つつけたくなかったのだが、非常事態だ許してほしい。
 ずぶり。
 英二を出口に飛ばした刹那、ショーターの背中に何かが突き刺さった。目線を下にやる。その何かは手か足かはたまた髪か全く別の機能を有す敵の一部で、紛れもなくこちらの命を狙ってくるもので、それが腹を突き破るのをまざまざ見ていた。喉奥から明らかな血臭をもって液体が逆流してくる。
 出口を見た。あそこは明るかった。広そうだった。その中で身を起こした英二がこちらを向き顔を歪める。「ちょっと待ってろ」ショーターは血を吐きながら口端を上げてみせる。「泣くなよ」喚かれるより泣かれる方が辛いなと思った。
 貫通したそれは肉を捻じ込みながら展開し、腕をぐるりと拘束すると敵の本体に巻き戻っていく。明るくて広くて泣き出しそうな(既に泣いていたかもしれない)英二のいる出口がぐんぐん遠ざかっていった。
 瓦礫の中でぎゃりぎゃり歯を鳴らしている気持ちの悪い怪物が、大口を開けて待っている。
 宙吊りにされ、なけなしでくっついていたサングラスがとうとう耳から離れて落ちた。
「よーく味わえよ。スペシャルディナーだ」
 そして最後の晩餐でもある。いや時間的には朝食か。
 いまいち締まらないことを考えたショーターは、大口にぱくりと飲み込まれた。



 泣くのは間違っている。
 知っているのだ。英二は知っている。今路地の奥で、油を差し忘れた歯車のように緩慢に動きを止めていっている敵が、もうすぐ完全にただのガラクタになるであろうことを。
 知っている。分かっている。これが初めてじゃない。
 ショーターは生きている。
 もうすぐだ。あの怪物が死にゆき、こちらが三回ほど深呼吸を繰り返せば、彼はきっと思いもよらないところから生き返ってくる。
 落ち着け。泣くな。そら見ろ、向こう側で、機械や武器や動物を融合した塊が、咀嚼をやめ、動きをとめている。食ったものを毒薬とも知らないで停止する様は、なんて哀れで優しい最後だろう。敵は死んだのだ。
…………
 引き攣る喉を駆使する。浅い呼吸を一回。
 音を立てて死骸の何本かある足が抜け落ちた。
 震える息を吸って吐く。さっきより深めに、二回目。
 ぱらぱら砂を含んだ風が路地裏から吹き荒んでくる。
「ショーター」
 三回目の呼吸。もうそろそろのはずだった。大体この間隔だった。英二はきょろりと周囲を見渡す。路地を抜けた開けた空間に、特徴的なスキンヘッドはない。
 嘘だ。
 そんなはずはない。
 でも、こういう時、自分はいつもどっちか分からなくなる。
 とうとう莫大な不安と恐怖で押し潰されそうになり、堪らず硬い地面に爪を立てた時。
 手首を下から握り込まれた。「ぎゃあ!」ぎょっとして仰け反る。アスファルトから手が生えていた。「ばかやろう!」心の底から安堵と喜びが込み上げていたのに、口からついて出たのは恨み言だった。
 手はアスファルトをビスケットのように砕き割りながら、腕を、頭を、上半身を、下半身を、足の爪先を、全身を顕にする。血だらけで、いつの時代のものか分からない古めかしい服を着た死人のようなショーター・ウォンが、生者の笑みを浮かべて跪いた。
「これぞヒーローって感じだろ」
「じゃあ僕はヒロインらしく泣いて抱きつくからな。くそ」
「くそとか言わねえの」
 英二は号泣しながら宣言通り抱きついた。
 分かっていた。知っていた。彼は死なない。けれどどうしたって彼が不変的な生を捨て死にに行く時、あんまりにも怖くなる。もしも、このまま、本当の本当に死んでしまったら。英二を守り、また会えるようなことを嘯いて、それで二度と姿を現さなかったら。生きているか死んでいるかどっちつかずの希望と絶望のまま、自分はひたすら待つのだろう。そんなのは辛すぎる。
「くそ、ばか、かっこつけめ」
「カッコよかっただろ?」
「いつもだよ」
「だろー! え? はは」背中を撫でていた手に照れ隠しのように叩かれた。「俺としては、モヒカンの方がいいと思うンだけどな」彼は生き返る度に最初の『死んだ状態』に戻る。せっかく伸ばして紫色に染めた髪は、今は見事なつるっぱげだった。「また伸ばせばいいよ。なんでもかっこいいよ」「あんまし言うな。照れる」背中をまた叩かれた。
 ちゃんと血の巡りで温かい身体から少し離れ、英二はぐすっと鼻を啜る。
「じゃあ、僕の番だ」
「頑張れるか?」
「やれるよ」
 膝立ちになる。跪くショーターを覆い被さるように抱き締め、つるつるの頭(英二はわりとスキンヘッドの肌触りが好きだった)に頬を押しつけぎゅっと目を閉じた。
 どこどこうるさい心臓がなだらかになるのを待つ。涙に濡れた方頬が空気で乾く。ショーターが労りで腕を摩ってくれるのに任せ、自分の身体を完璧に制御できる感覚が募り、それから。
 肩甲骨がぼこりと盛り上がった。
「っ、」
 未だ慣れない、痛みではない何かに脊髄を揺さぶられる。背骨が軋み、身体中の血潮が沸騰し、がむしゃらに皮膚を突き破りたい衝動を誤魔化しゆっくりゆっくり、飛行可能な翼を形成していく。
 上手くなったものだと思う。
 以前は見るも無残な、絡まった凧糸か煮崩れた手羽先のような翼しか出せなかった。
「ん」
 目を開ける。
 青い羽毛が舞っている。ばさり。動かしてみると、風が起こり、充分な飛べる翼が自分の背中にあることが知れた。二人を囲うように畳んでみる。青く、立派な、それでもまだ不格好な英二の翼だった。
 ほうと息を吐く。痺れるような感覚は消え、代わりに解放感が満たした。「やったぜ」摩ってくれていた腕を握った。ショーターが眩しげに目を細めている。
「今日は青い羽か。綺麗だな」
「でしょ」
「いつもだけどな」
「え? うわ、や、やり返された……
「うわってなんだよ」
 照れてるんだよ。ばしんと背中を叩く。
 ここからなら壁にぶつかることも、配線や管に絡まることもないだろう。いつもいつも、彼は何より英二のことを考えてくれている。こっちの気を知っていて。くそう。
 英二はショーターを抱き寄せ、翼を羽ばたかせた。よし、安全飛行開始だ。今度はこっちが守る番だ。









2019.0324

上のやつと同じ世界観。今回はマンホールから出てくるブランカおじさんを書きたかっただけのシーン。






 ニューヨークの街は飛ぶのに適してないから嫌いなんだ!

 という文句はこんな状況だから出る暴言で、本当は様々な人間が暮らしきらきら眩いこの都市が好きなのだ。こんな、状況じゃなければ。
 昼間まではいい気分だった。たまには出かけようとショーターに誘われ、人間が多ければ非人間も多い街中に万全準備して繰り出した。最近は非人間狩りや迷惑な融合生物に追いかけられることが多かったので、久々の気兼ねないお出かけにうきうきしていたのだ。争いごとのない時間を彼と過ごせるのが何より嬉しかった。
 ところが、ショーター・ウォン。この誰より英二の傍にいるかけがえのない存在ときたら、別に、全く、全然構わないのだが、女性に弱かった。
 彼は明るく、優しく、仲間想いで、英二のことを一等大事に、文字通り死んでもいいくらい守ろうとしてくれる。英二も彼のためならどこまでだって飛んでやるし、翼の硬度を変えて彼に仇成すものを蹴散らしてもいい(最初これをやった時制御が利かず肩を一週間痛めた)くらい一番の存在だ。お互いそれを重々承知している。
 そしてお互い男だ。
 綺麗な異性に目がいくのは当たり前。困っている女性に手を貸すのは人間として素晴らしい。だから、街中で困っている綺麗な女性に成り行きで手助けすることになったのは、そこまでは、別になんとも思わなかった。問題はそこからである。
 お前は来なくていい、と言われた。お前向きじゃねえよ、とも。
 女性の困りごとは所謂『非人間関係』のことで、あまり詳しくないし英語で話された専門的な用語も理解しづらく、でもまあショーターがその身を張るなら当然英二も何かしら援護するだろうと思っていたのに。
 あっさり置いて行かれた。
 綺麗な女性と肩を並べて、真っ昼間のニューヨークに消えて行ってしまった。最後に「悪いな。家で大人しくしてるんだぞ」と英二の肩を叩いて。
 女性を優先したことより英二を連れて行かなかったことにショックを受けた。分かっている。お荷物であることや、彼が英二を慮っていることくらい。分かっているさ。
 でも絶対にあの金髪美女は、ショーターの好みだった!
 そう考えるとなぜか絶妙に腹立たしくなってきて、でも迷惑をかけたくはないので大人しく隠れ家に戻った。言いつけ通り。そして夕方になった。夜になった。深夜になっても彼は戻ってこなかった。もし朝帰りなどされたら、したくもない嫌な態度を取ってしまいそうな気がして、じっと眠ることもできずに頭を冷やそうと扉を開ける。それが間違いだったのだ。
 玄関前の通りに出て、モヒカンの男がいないかと一応確認してみるも、姿はなく。はあ、と白い息を吐いた。傍らの街灯がちかちか明滅している。
 世界三大都市に数えられるこのニューヨークは、人も物も機械的わざも魔術的わざも溢れるきらきら眩い都市である。真夜中であってもそうなのだが、この隠れ家周辺は隠れているので暗い通りだった。ちかちか。英二を照らしたり照らさなかったりする明かりに目をやる。ちかちか。ちかちかちか。
 ばつんっ。
 ブレーカーを落としたような光の消え方をし、あ、間違えた、と自分は取り返しのつかないことをしでかしたと気づいた。街灯の明滅は危険信号。今から危険が来るぞという忠告。彼は電気の切れかかったポンコツなどではなく、決められた仕事を全うした優秀な街灯だというのに!
 英二は踵を返す。そしてその時、暗がりを滑って何かが躍り出てきた。



 こういうことがあるから連れて行って貰えないのだ。
 鈍臭く、迂闊で、あれよあれよという間に窮地に追いやられるから、英二はいつまで経っても彼に頼って貰えない。
 ああでも、少し言い訳させてほしい。これでもちょっとはトラブルの解消がうまくなったし、一人でも落ち着いて飛行可能な翼を生やし飛べるようになったのだ。なのに、どうして、今、こうやって、真夜中のニューヨークを逃げ回っているかというと。
 この街が飛ぶのに適していないのが悪い。
 だから嫌いなんだ、という極論が出てしまうほど、玄関前で襲いかかってきた敵は英二を不利な地形に追いやった。電柱の配線やガードレール、敷石、あらゆるものを操り空へと行かせないようにしてくる。走って逃げるしかなく、いつの間にか狭い路地だ。
 おかげで慌てて生やした翼は久しぶりに無惨な形になった。煮崩れた手羽先どころか、処理前の鶏肉、羽を毟っている最中のような滑稽で不細工な翼。これじゃどうしたって綺麗とは言われないだろう。
 ……どうだろう。ショーターなら面白がって、気の利いたことの一つや二つ言ってくれるかもしれない。
 ははっ、乱れた呼吸に笑いが乗った。あとで見せよう。だから今は。
 自分一人でなんとかしないと!
 靴裏を擦りながらビルとビルの隙間に滑り込み、通り抜け、じぐざぐに走る。
 獰猛な、不法投棄されたゴミの見た目を持つがさごそうるさい生き物が、後ろを絶えずついてきていた。さてどうするか。
 翼で蹴散らそうにも一旦落ち着かないと役に立たない。じゃあやはりどこか広い場所へ出ないと。いや、でもそうしたとして、一秒も置かずに飛ぶことはできるのか? ショーターもいないのに? ああもう、彼に頼るのはやめろ、そんなだからいつもいつも迷惑かけて英二の代わりに厄介事を受け付ける羽目に――
 廃墟地区へとやって来ていた。大きな都市には、少なからずそういう場所があって、大体そういう場所は良くないところだった。
 バンッ、頭上で破裂音がしたと思えば、硝子が降りかかってきていた。咄嗟に出来損ないの翼を広げ、身体を守る。鶏肉にぐさぐさ突き刺さり、毟かかった羽が飛び散った。構わない。翼に痛覚はないのだった。
 立ち止まり、廃墟のビルを見上げ、後ろを振り返る。挟まれた。走っても無駄だ。背中に全神経を集中させ、これも無駄だろうと半ば諦めながらまともな翼を形成しようと試み、そして。
 足元のマンホールが吹っ飛んだ。
 勢い良く飛んだ、本来そう簡単に飛ぶはずのない蓋は、何かしらの力が働いているかの如く頭上の敵に命中した。力なく落ちていくそれらが地面に激突するより早く、マンホールから手が伸びる。
 銃を構える手だった。銃というよりはロケットランチャーのようだった。
 発射される。不法投棄されたゴミのような見た目を持つがさごそうるさい生き物たちは散り散りになって逃げるが、全て追い回し、ロケット弾は複雑に展開してゴミを食っていく。最後の一匹を取り込んだあとは、どんっとカラフルな火花を散らして爆発した。ひらひら、きらきら、火の粉が星のように瞬き、消える。
「ああ、しまった」
 下から声がする。
 見下ろすと、マンホールからひょこっと顔を出している男が、申し訳なさそうに英二を見上げていた。
「肩が引っ掛かったみたいだ。手を貸して貰っても?」
 貸すも何も、肩が引っ掛かったんなら手も取れないのでは。
 英二は曖昧に頷いた。

 なんとか引っ張り上げた男は、どうやってそこに収まっていたのか物理法則を無視した体格の良さだった。マンホールから出てきたとは思えない真っ白な上等なスーツに、穏やかな笑みを浮かべる整った大人の顔。誠実とも表現できるが。
 助けてくれたとはいえ明らかに常人じゃない。 
「あの、ありがとうございます、助けて頂いて」 
 それは事実だったのでひとまず礼を言うと、男は「どういたしまして」英二の背中に視線をやった。
「奴らにやられたのかい? 酷いな」
「いえ、その、大丈夫」
「下手な料理人が調理したみたいだ」
「あー……」冗談に上手い返しができるほど語彙がなかった。そもそも、もとから下手な料理人が調理したみたいな絶望的な様相だったし。言ったら笑われるだろうか。「ところで、あの、あなたは? どうして……」疑問を重ねようとした英二に、人差し指をすっと立ち上げる。
「私はブランカ。そうだな、安全に歩きながら説明するとしよう」
 小鳥ちゃん。
 そう付け加えた彼は、嫌味も気障ったらしさもなく、完璧に味方の体をしていた。