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botanin5
2024-11-14 03:03:53
17941文字
Public
薬さに♀(小説)
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早起きは三文よりお徳。
ハッピーエンド
イタズラで信濃の布団に潜りこんだけど、そこに居たのは信濃じゃなくて――
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「ん
…
」
閉じている瞼の向こうが、少し明るい。
もう朝かぁ。もうちょっと寝たい。お布団あったかい。
…
朝?
「朝!?」
「よぉ大将。ずいぶん気持ちよさそうに寝てたなぁ」
「うわぁ!!薬研!!!!」
ぱっと最初に目に入ったのは濃灰のシャツ。顔を上げれば、薬研が楽しそうにこちらを見下ろしている。
「さて、なんで大将は、俺の部屋で寝てんだろうな?」
「あっ、これは、その、乱が」
「だろうと思った。はぁ。宴会の後、鶴丸から逃げて急いで大将の部屋に行ってみたらいねぇし。どこぞで行き倒れて寝てんじゃねぇかと思って、本丸の中走り回っちまった」
「ご、ごめん」
「もしやと思って自分の部屋に来てみれば、俺の布団にくるまって気持ちよさそうに寝てる大将を見た俺の気持ちが分かるか?」
「怒った?」
「食っちまおうかと思った」
「ひぇ!食べないで!!」
「
……
。まぁ、居てくれてよかった。俺の布団の寝心地はどうだった?たぁいしょ」
「最高でございました
…
」
「だろうな。今の今までぐっすり寝てたしなぁ」
むにむにとほっぺたを引っ張られながら、もう一度ごめんねと謝る。内番服のままだし、お風呂にも入らず私を探したのだろう。かく言う私も、宴会のままここに来たので入っていないのだが。なんだか申し訳なくなって縮こまる。くぁと欠伸をする薬研は、もしかして寝ていないのかもしれない。
「まぁいいさ。俺も少し味見したし」
「あじみ
…
?」
「据え膳を我慢したら腹減っちまった。朝風呂もらってこいよ。俺は朝飯のつまみぐいに行く」
「歌仙に怒られるよ」
「上手くやる」
どちらともなく笑ってから、もぞもぞと布団を出る。薬研が掛布団を畳んでいるうちに、私は敷布団をぱたぱたと畳む。薬研は、まとめた布団を無造作に押し入れに突っ込むと、そら出た出たと私の背中を押した。廊下はひんやりと冷たい。
薬研が廊下に出てくる前に、振り向いて障子に手をかけた。驚いてキョトンとしている薬研に顔を寄せて、頬にちゅっと口づけた。固まって動かない薬研を置いて、障子をぱたんと閉めて、ダッシュした。
「
………
っ、たぁいしょぉぉぉ!!!」
「あははっ!!!」
がたん!と後ろから音を立てる障子と、珍しく大きな声を上げる薬研が面白くて、笑いながらぱたぱたと廊下を駆け抜けた。
数分後、お風呂に入って鏡を見たら首元に強く残る赤い印をいくつも発見して、声にならない叫びを上げるはめになるとは、この時の私は知る由も無いのであった。
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