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botanin5
2024-11-14 03:03:53
17941文字
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薬さに♀(小説)
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早起きは三文よりお徳。
ハッピーエンド
イタズラで信濃の布団に潜りこんだけど、そこに居たのは信濃じゃなくて――
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「今日は宴会をします!みんなお仕事はお休み!!」
いただきますの前に宣言した私の言葉に、おおお~!と本丸が揺れるほど歓声が上がった。陸奥守や愛染など、イベントが大好きな彼らが勢いよく立ち上がったので「まずは朝食を食べる!!座れ!!」という歌仙の鋭い声が飛んだ。食後に言えば良かったかな
…
と思いながら自分用に空けられていた座布団に座ると、少し離れた向かい側に薬研がいた。
今日は彼の席を把握していなかった。うっかり視界に入る位置に座る羽目になり、思わず背筋が伸びる。もう一度、恐る恐る薬研の方を見ると、ぱちっと目が合った。しかし、とても自然にふいっと逸らされる。その瞬間、ぎゅっと心臓を握られた気分になった。悲しくて涙が出そうになったけれど、みんな居るのに泣くわけにはいかない。急いで箸を取って、ほかほかの白いご飯をかき込んだ。
勢いで始めた餅つきは、大盛り上がりだった。
朝食の後、もち米を運ぶ係や、庭にシートを敷く係
…
と役割を振り、一斉に準備に取り掛かった。それから全員を庭へ集めて、臼を持った蜻蛉切と、杵を担いだ岩融が登場すると、再びおおお~!と歓声が上がり、本丸の瓦が落ちてくるかと思った。みんなが杵を使いたがって、もちろん私もやりたくて、ひたすら合間に餅をこねてくれた蜻蛉切は、すっかり疲れてしまっていたが楽しそうだった。
その間、なんとなく怖くて、あまり薬研の方を見ることはできなかった。餅をつくのに参加しなかった彼は、同じく「見ているだけで十分楽しい」とお茶を飲む平安刀たちと一緒に座って談笑していたと思う。
午前中をすっかり使っても終わらない餅つきに、臼と杵はあと二つほど買い足す必要があるねと本丸の会計士である博多と相談した。正月に行うつもりの餅つき大会は、全員に餅つきをしてもらう予定なのだ。これでは日が暮れてしまうだろう。まだまだ新しく投入されるもち米を横目で見ながら、手持無沙汰になった子を集めて完成した餅を台所へ運び、おはぎやいそべ餅を作り始めた。みんなつきたての餅をつまみ食いしていたし、お昼を無しにして宴会を少し早めに始めれば大丈夫だろう。そんなことを歌仙と相談しながらおはぎを丸めていたのだが、ずっと動き回っていたせいか、なんだか眠い。
「主、少し眠ってきたらどうだい?」
「え、でもまだご飯作ってるのに」
「この人数がいれば出来るさ。主と僕らじゃあ体力も違うし、肝心な宴会の時間に眠くなってしまっては楽しめないだろう」
「う
…
そうだね
…
ありがとう!そうしよっかな!」
「余計なことをせずに寝るんだよ」
「さすがに疲れててイタズラはできないから!」
優しく笑う歌仙に台所を追い出され、自室へと向かう。庭に面する廊下を通りかかれば、まだまだ餅つきは盛り上がっていた。近くにいた鶯丸に少し寝てくると声をかけて、みんなの楽しそうな様子を背後に廊下を進んでいくと、こたつの置いてある部屋を見つけた。みんなの要望で五つほど買い込んだこたつ。その中でも、一番大きなやつだ!普段は誰かしら使っているため、独り占めできるチャンスは今しかない。こたつで寝ると風邪をひくとよく注意されるが、少し眠るだけ。少しだけなら大丈夫だろう。
コンセントを挿してスイッチを入れると、いそいそとこたつに潜り込んだ。じわじわと熱がこもってくる。あったか~い!!しあわせ!今度、アイス持って来よう!歌仙にばれないように、こっそり。そんなことを考えているうちにゆっくりと瞼は下りて行った。
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