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botanin5
2024-11-14 03:02:11
18681文字
Public
薬さに♀(小説)
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終わりよければ全てよし
ハッピーエンド
「好き」に振り回されるお話です。
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「みかづき~~~~!!!!」
「はっはっは、どうした?薬研と何かあったのか」
買い物から帰ってすぐ、荷物を置くのもそこそこに、三日月の部屋へと駆けこんだ。彼は何か本を読んでいたようで、内番服で座椅子に腰掛けている。今までと同じように、ゆったりと私を受け入れてくれる様子に安心して、思わずその胸に飛び込んだ。
「薬研、私のこと好きじゃなかった
…
!」
「
…
?何を言っている。あれほど主の世話を焼いていただろう」
「それがっ、そのっ、違う好きだったの!」
「
…
うん
…
?」
どう説明したらいいのだろうか。
「三日月は、私のこと好き?」
「ん?主のことは好いているぞ」
「可愛い妹みたいな?」
「そうだな
…
妹というものはいたことがないが
…
おそらくそうだろう。可愛らしいと思っている」
「
…
薬研も、それだった
…
なんか、勘違いしてるみたいで
…
」
「ふむ
…
」
自分で説明してて辛くなってきた。じくじくと胸が燻ってくる。考えこんで黙ってしまった三日月の服をギュッと掴む。そのまま胸元にぽすっと頭を落とせば、ゆっくりと頭を撫でてくれた。
「私
…
私は、薬研のこと、ちゃんと
…
その
…
恋愛的な意味で好きになっちゃったの」
「そうか
…
」
「今日、言おうって、思ってたんだけど、薬研に「どうして私のこと好きなの」って聞いたら、ちがくて
…
っ」
「落ち着け」
ぐずぐずと胸を借りていると、不意に障子が開いた。びくりと肩を震わせて恐る恐るそちらを見れば、薬研がそこに立っていた。
「なんだ、やっぱりここに居たのか大将。
…
泣いてんのか?
…
みんなに配るために買った菓子、部屋に持って行っただろう。広間に置いてくるから、俺が取りに行っていいか?」
呆然と薬研を見上げる。仮にも好きな女が、他の男の胸を借りて泣いているのに、こんなに平然としている。やはり薬研の好きは違う。図らずも明白になってしまった事実に、胸が杭でも打ち込まれたように痛む。
「
…
うん
…
ごめん
…
お願いします
…
」
「
…
?ああ、任された。あんまり泣くと腫れるぞ。後で冷やすもん持ってくる。三日月さんよ、大将のこと頼むぜ」
「相わかった」
薬研が去っていくと、主はまた己の胸に顔を埋めてしくしくと泣き始めた。もう一度その頭を撫でてやる。確かに、好いたおなごに対する態度にしてはいささか淡白に思えた。しかし。しかし、三日月は見逃していなかった。障子を開けた薬研と目が合った瞬間、彼が少し顔を顰めたのだ。おそらく、彼自身もそんな自分に気づいてはいないのだろう。
「主」
「ん
…
?」
「そう心配するな、なんとかなる」
「
…
ぅ
…
なるかなぁ
…
」
ぽんぽんと背中をさすれば、主はようやく泣き止んだ。まったく、世話の焼ける。
「薬研と顔を合わせるのが辛いなら、俺を近侍に戻すか?」
「!」
俺の言葉を聞いて、主は顔を上げて目を合わせると、ぶんぶんと顔を横に振る。
「それはっ
…
だめ
…
。あっ、三日月が嫌とかじゃなくて、その、えっと」
「はっはっは、冗談だ。」
「
……
三日月、私、がんばる」
「うむ」
今度は私が振り向かせる。
優しく微笑む三日月に、背中を押された気分になった。薬研はまだ私の事を好きだと思い込んでいる。そのまま、本当に私の事を好きになってもらえばいい!
「よっし!なんかやる気でてきた!私、がんばる!」
「はっはっは、その意気だ」
「ありがとう三日月、話を聞いてくれて」
「気にするな。ここは、主のためにいつでも空けているぞ」
ありがとう!と抱きしめて、廊下に出た。まだ薬研はいるだろうか
…
どうせなら一緒に広間へお菓子を届けに行きたい。先ほどまで燻っていた心はすっきりと晴れていた。
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