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Hizuki
2024-07-29 08:18:04
11715文字
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あんスタ[薫あん]
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薫あんと桔梗の花言葉の話
【あんスタ】薫あん+α。SWINGNIGHTのミニトークに出てきた薫からのおみやげの話を元に桔梗の花言葉を絡めた話。全部で8話、それぞれ独立した話になっています。全て+αキャラからの視点で、二人共いたりいなかったりする。〇×は花言葉を知っているかどうか。
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『きっと、いつかは』
事務所の給湯室で二人分の紅茶を用意して、談話スペースに戻った。その一つとお茶請けのクッキーが入っているトレイを、窓際の席に座っている羽風先輩の前にそっと置く。
「お待たせしました、どうぞ」
「ありがとう、創くん」
羽風先輩はこの後ユニットのミーティングがあるそうで、「少し時間が空いたからちょっと顔を出しに来た」と言っていた。「それならお茶でもどうですか」と声をかけたのが少し前の話。もう一つのティーカップを自分の前に、お盆をテーブルの脇に置くと、先輩の向かい側に座った。お互いの近況を簡単に伝え合って一息ついた後、ふっと『あること』を思い出した。
「そういえば、あんずさんに見せてもらっちゃいました」
「あんずちゃんに?何を?」
ぼくが出した名前に、羽風先輩が首を傾げる。
「はい、羽風先輩からもらったっていうお香セットの写真です」
本当につい最近のことだった。レスティングルームでお姉ちゃんが嬉しそうにしていたから、理由を聞いてみたら見せてくれたのがその写真だった。お香とお香立てがセットになったギフトボックスが写っていて、お香立てには桔梗の花が描かれていた。
「
…
あの贈り物には桔梗の花言葉も込めて、ですよね?」
そう尋ねると、羽風先輩は動きを止めてカップをテーブルに戻した。どうやらぼくの考えは当たっていたみたいで、照れくさそうに小さく笑ってみせる。
「
…
やっぱり創くんだと分かっちゃうかぁ」
「ふふ、素敵だと思います」
桔梗には『永遠の愛』や『変わらぬ愛』といった花言葉がある。そして、羽風先輩は知っていたから、花言葉に気持ちを託した。先輩がお姉ちゃんに想いを寄せていることを知っているからこそ、ぼくもそこに思い至った。
「ただ反応を見るに、多分あんずちゃんには伝わってなさそうなんだよね
…
」
胸の前で腕を組んで、悩ましそうに唸る。確かに見せてもらった時の感じだと、素直に贈り物が嬉しいというような雰囲気だった。花自体を知ってはいても、花言葉は知らない、ということの方が多いと思う。
「今は届いていなくても、いつかきっと届きますよ」
これはそうあって欲しいという、ぼくの希望でもある。だって、羽風先輩と一緒にいる時のお姉ちゃんが幸せそうに見えるから。わざわざ写真を撮って空いた時間に見ているくらい、お姉ちゃんにとって先輩からのプレゼントが嬉しかったのだと思うから。
「
…
あはは、励ましてくれてありがとう」
表情を和らげた先輩は、個包装のクッキーに手を伸ばした。
「ぼく、応援してますからね」
前のめりになって、胸の前で手をぎゅっと握った。今度お姉ちゃんに会ったら、少しだけ花言葉の話をしてみてもいいかもしれない。そして、贈り物に込められた先輩の想いにお姉ちゃんが気付いてくれたらいいな、と思いながら、ぼくもクッキーを手に取った。
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