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Hizuki
2024-07-29 08:18:04
11715文字
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あんスタ[薫あん]
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薫あんと桔梗の花言葉の話
【あんスタ】薫あん+α。SWINGNIGHTのミニトークに出てきた薫からのおみやげの話を元に桔梗の花言葉を絡めた話。全部で8話、それぞれ独立した話になっています。全て+αキャラからの視点で、二人共いたりいなかったりする。〇×は花言葉を知っているかどうか。
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『想いを隠して花の中』
「アドニスくん、お疲れさま」
打ち合わせを終えて、ミーティングルームから出ると聞き慣れた声がした。声が聞こえた方を振り返ると、そこにはあんずが立っていた。
「ああ、あんずもお疲れさま」
話を聞けば、あんずも俺と同じで打ち合わせが終わったところだという。レスティングルームに少し休憩に行くというので、俺も一緒に行くことにした。時間が中途半端なおかげか人はまばらだった。ドリンクを注いで、空いている席に座る。
「随分嬉しそうだが、何かあったのか?」
ぱっと見て分かるくらいに、あんずは嬉しそうにしていた。悲しい、辛い、といったことではないのならいいだろうかと理由を尋ねてみる。紙コップから口を離すと、あんずはスマートフォンの画面に何度か触れ、それを俺の方に差し出した。
「ふふ、よかったら見る?」
「ありがとう。これは
…
香か?」
慎重に受け取ったスマートフォンには開けられた箱の写真が表示されていた。透明な袋に入っているものの形とラベルに書かれていた文字からそれが香だと分かれば、一緒に入っている皿のようなものは自然と香を立てる受け皿に繋がる。
「うん。薫さんから博物館のおみやげでもらったんだ」
羽風先輩から、と聞けば、あんずが嬉しそうにしていることにも納得がいった。思い返せば最近今のあんずと同じような先輩を見た気がする。もしかすると、あんずとのことが理由だったのかもしれない。
「なるほど、そうだったのか。香立てに描かれている花も綺麗だな」
「でしょ?これは桔梗の花だよ」
種類までは分からないものの、星のような形をした紫色の花が描かれている。さらりと花の名も添えてくれて、もう一度香立ての皿に視線を向けた。ふとあることが頭に思い浮かんで、それを尋ねてみることにした。
「確か、花言葉というものがあるのだろう?この花にはどういう意味があるんだ?」
「花言葉までは知らないなぁ
…
。ええっと
…
?」
スマートフォンの向きを自分の方に戻すと、あんずは手慣れた様子でそれを操作し始めた。調べてくれるらしい。『桔梗 花言葉』と打ち込んで、俺からも見やすいように向きを変え、検索ボタンをタップする。表示された検索結果を見た途端、あんずの手がぴたりと止まった。一体何が書かれているのかと俺も画面を覗き込んだ。
「
…
『永遠の愛』、『変わらぬ愛』か」
俺がその言葉を読み上げると、あんずは顔を両手で覆い、テーブルに肘をついてはぁ
…
と深く長い溜め息を吐く。これは『困った』という意味の溜め息ではないことは分かっている。その証拠に手で覆い切れていない部分の肌が赤くなっていた。
「羽風先輩の思いがとても込められているな」
贈り物に隠されていたのは、羽風先輩からあんずへの気持ち。先輩はこの意味を知っていたのだと思う。
「
…
うん」
俺の言葉を肯定するように、こくりとあんずの頭が微かに動いた。きっとしばらくあんずはこのまま動けないだろう。コップを見れば中身が空になっていることに気付いた。熱そうだし、冷たい飲み物の方がいいだろうかと考えながら、空になったコップを手に席を立った。
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