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乙麻呂
2024-09-15 18:27:38
37637文字
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かいこさんの現代AUネタまとめ
かいこさんの現代AU風情の芸能ネタに夢を見過ぎで、色々と書き散らかしてしまった物をまとめました。《三次創作》です。
仙京坂35の活動やその他色んな部分は捏造と妄想です。
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《インターホンと風信》
ピンポーン
リビングにインターホンが鳴り響いた。
明日のスケジュールを確認していた慕情は、顔を上げインターホンのモニターを確認する。
常識的に考えて、来訪するには非常識な時間帯だ。
こんな時間に訪れてくる奴などそう居ない。そこに映し出されていたのは、予想通りの顔だった。
カメラを覗き込むのは、どこか不安げで間の抜けた表情だ。
ピンポーン、ピンポーン
…
『居ないのか?』
声がした。随分とでかい独り言だ。
『おーい、慕情』
ここに“仙京坂35に所属するアイドル、慕情”が住んでいる事は、暗黙の了解だ。了解ではあるんだが、廊下で名前を呼ぶな。誰が聞いているか分からないのがマンションだ。
《俳優風信、深夜にアイドルと堂々と密会》なんて記事が出回ったらどうする。
そんなんだからお前はパパラッチされるんだ。
応答するでも無くそんな事を考えている間も、風信はインターホンを押し続けている。
しつこい。
外から、慕情の部屋の電気が点いているのは確認済みなんだろう。
風信はとうとう眉を下げた。
『寒い。入れてくれないか?』
応答もしていないのに、風信が語りかけてくる。このモニターの向こうに、慕情が居ると信じて疑わない態度だ。
インターホンに映る風信は黒いタートルネック姿で、何故かアウターを着ていなかった。
哀れっぽい姿に、とうとう慕情は嘆息した。
立ち上がると、インターホンの応答ボタンを押す。
「今、何時だと思ってるんだ」
どう考えても好意的とは言えない口調で応えると、モニターの中の風信が目に見えてホッとした顔をした。
『慕情』
そこで、名前を呼ぶのは卑怯じゃ無いだろうか。
言ってやろうとしていた嫌味が喉に落ちてグッと鳴る。
「......................ハァ、少し待ってろ」
嘆息すると、慕情は玄関へ向かって鍵を開けた。
そこには、硬派俳優の呼び名が泣くような間の抜けた格好の風信が立っていた。
「真夜中にインターホンを連打するな。近所迷惑だ」
睨み付けると、風信は更にへなりと眉を下げて首筋を掻いた。
「すまん。楽屋に家の鍵を忘れた」
正確には『楽屋に家の鍵を入れたアウターを忘れた』だと、慕情はすぐに察した。
温かい局からタクシーに乗って、ぬくぬくと帰るからだ。
当然、もうとっくに局は閉まっている。
情けない姿に、思わず頬が緩むのは何でだろうか。
タクシーに乗ったのならスマホなり財布なりは持っている筈だ。
「ビジホにでも泊まれ」と突っぱねてやりたいのに、慕情の口から出たのは特大の溜息だった。
「もてなさないからな」
こっちだって、今日も仕事だったのだ。
ああ、でも、既に慕情は明日のスタジオ入りは午後からだなとか、夕食の残りは足りるかだとか、既にそんな事を考えている。
風言は温かい玄関に足を踏み入れながら、知人にしか分からない程度に目を細めた。
「ああ、それで良い」
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