黑野羊
2024-03-24 00:45:13
5375文字
Public 意味不明小説
 

意味不明小説《3》

意味不明で、ちょっと怖い、不条理だったり、シュールだったりする、短いお話集
掲載作品)
黒/いつもの事ですから/灰/飼/忘/赤イ花/ある晴れた日/冷たい夜空の下で/僕は自分で自分を殺しました。/私が手放したもの


ある晴れた日


私は、穏やかな陽射しと澄み渡る青空の下を、ただ、歩いていた。
なだらかに伸びる、一本道。
暖かい空気。
爽やかな風。

どこまでも続く、一本道。

私が進む先に、乳母車を押しながら歩く、女性。
向こうからやってきた穏やかな笑みの老婆が、乳母車の方に手を振っていた。
乳母車の女性は立ち止まり、老婆と言葉を交わす。
女性と老婆を追い越すしな、乳母車の中に何となく視線を向ける。
中は空っぽだった。

私の進む先に、片方の腕肘を横に突き出して歩く女性がいた。
立ち止まり、指を空に指し、見えない誰かに話し掛けていた。

私は、歩いていた。

最愛の人と手を繋いで。

なだらかな道を、ただ。

繋いだ手に温もりは感じない。
それでも、シアワセだから。