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鹿
2023-12-31 16:22:03
13248文字
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CPシチュスロットまとめ
スロットメーカーさんの #CPシチュエーションスロット で出てきたシチュのSSをその日のうちに書いてみるチャレンジのまとめ。全部土斎。現パロだったり謎時空のパロだったりデア軸だったり。
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恋人の実家で/刺々しく/髪を結う
「なんで土方さんっていつもそうなんですか⁉︎事前に言っといてくれたらこっちだって色々準備できるのに!」
使い慣れない洗面所の鏡には、大慌てでもじゃもじゃ頭をどうにかまとめようと必死な斎藤の顔。そしてその背後に、そんな斎藤を眺める土方の姿が写っている。その顔は実に愉快気で、それがまた斎藤の神経を逆撫でした。
「何がおかしいんですか! こんな寝癖も直りきってない頭のパーカーにジーンズの男、なんて言ってご両親に見せるつもりだよ!」
「安心しろ、かわいいぞ」
「ふざけてんじゃねえ!」
「だってお前、俺の親に挨拶してもらう、ちゃんとした格好しろよ、なんて言ったらビビって来てくれねえだろうがよ」
斎藤の手が一瞬止まったのは、端的に言って図星であったからだ。土方が実家に斎藤を招くのは別に初めてでもない。だがいつも「今日は両親がいない」と土方が言ったタイミングでの訪問だった。
「本気で紹介するつもりなんですか、僕まだ学生で、髪もこんなで、レポート終わんなくて隈もひどい」
「別にお前の写真くらい見せてあるし、ああこの子が今度ルームシェアするっていう斎藤くんか、くらいに思うだけだろ」
「見るからに自堕落そうな若僧に息子が寄生されてるとか思われたら
……
」
「考えすぎだってんだよ。今日はただの顔合わせだ。お前がちゃんと俺のプロポーズを受けた後、またきちんと挨拶しに来てくれりゃいい」
土方の発言に斎藤の手がびくりと震えた。せっかくまとまりかけた頭をぐしゃぐしゃにかき回しながら、あの、その、うう、と微かなうめき声をあげる。
「受けるつもりあるんだろ? 無いんだったら俺の両親にどう思われようがかまわんだろ? お得意のヘラヘラ顔でいやあすいませんねこんな頭で、なんて言ってみせりゃいいだけだ」
「そこまでわかってんならさあ
……
やっぱ不意打ちはやめてほしいんですよ
……
せめて手土産のひとつくらい、僕今財布も持ってない
……
」
しおれる斎藤が鏡越しに見た土方の顔は、普段の強面が嘘のように、嬉しそうに緩んでいる。斎藤は思わず振り向いて、その胸ぐらに掴みかかった。
「笑ってる場合じゃないでしょうが!」
「だってよ、嬉しいだろ。お前がそんなに真剣に俺との将来考えてんだから」
「周りはどんどん結婚しはじめてる年齢と立場の人に対して、軽い気持ちで『僕がちゃんと就職するまで待ってください』なんて言うわけねえだろ馬鹿!」
胸ぐらを掴まれたまま、土方はそっと斎藤の身体を抱きしめる。
「抱きしめたらごまかせると思ってんじゃねえ!」
結果、ますます斎藤を怒らせることになっても、この愛おしさを表す方法が他になかった。
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