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いまち
2022-01-23 02:10:36
28972文字
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ティナの借金返済記(とちゅーかも
いただきネタその3。続きは書けたら書く(゜ω゜
8/28 6P~増えた。ついでに借金も増えた。
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+++閑話
閉店後のVIPルームではアズールとジェイドが締め作業を、フロイドは何をするでもなく長椅子に寝転んでいた。
そんなフロイドに構うでもなく、アズールはジェイドに手のひら大のメモ用紙を手渡した。いくつかのアルファベットと数字を組み合わせた、一見暗号のような書きつけだ。
「ジェイド、明日朝一番に麓のテーラーへこの内容を伝えておいてくれ」
「畏まりました。
……
おや」
メモ用紙を見て薄く笑いを浮かべるジェイド。そんな片割れが気になってかフロイドはのそのそと起き上がると、そのメモ用紙に目を落とした。
「えー、ナニコレ?」
「キースリンクさんのサイズです。用意した寮服が入らなかったそうなので、彼女専用の衣装を注文するのだそうですよ」
「なに? キワドイ衣装でも着せんの?」
「何を言っているんだお前は。ここは紳士の社交場です、下品な恰好をさせるわけがないでしょう」
ため息をつきながらペンを走らせるアズールにフロイドは不服そうに頬を膨らませた。
「えーでもさぁ、あー
……
なんつったっけ? ウサギレディー? みたいなヤツ。あれもフォーマルな衣装らしーじゃん」
「『バニーガール』ですか?」
「そー、それぇ! さっすがジェイド。あれメダカちゃんに着せたらウケそうじゃね?」
メダカちゃんことティナのバニーガール姿を想像しながら、フロイドはアズールに提案する。ゆるっと垂れた瞳は下心というよりは好奇心に輝いていた。
「お前は何もわかっていない! 露出するだけが女性の魅力を引き出す手段ではありません。従来の寮服を女性用にアレンジするだけで十分です」
一気にまくし立てたアズールにフロイドは再び頬を膨らませ、甘えるように片割れに抱き着いた。
「なにそれ、つまんねー。ねー、ジェイドはどう思うー?」
「そうですね、どうせなら彼女にはディアソムニアの寮服で給仕させれば客足は増すかと」
「えー! もっとおっぱいとか見たくねーの?」
「いい加減にしろ! ジェイドも、そんな案は却下に決まってるだろ!」
「おや、何故でしょう?」
「ディアソムニアの寮生は自分たちの寮に誇りを持っているんです、そんな所の寮服で給仕なんてさせたら反感を買うに決まってます」
「申し訳ありません、考えが至りませんで」
悪びれる様子もなく笑顔を浮かべるジェイドにアズールはまたため息をつく。
そんなアズールにフロイドは思い出したように「あ」と小さく漏らした。
「つーかさ、制服じゃダメなの? 最初そう話してなかった?」
「利益に繋がるからですよ、フロイド」
「わけわかんね」
「キースリンクさんはあの通り、人気があるでしょう?」
タブレットで食材の発注を始めながらジェイドは続けた。
「今日も彼女目当てにたくさんのお客様がいらしたではありませんか」
「なに? アイツらメダカちゃん目当てだったわけ?」
「えぇ。働く彼女を一目見たい、給仕を受けたい、彼女の手料理を味わいたい、彼らはそんな淡い夢を抱いていらしたのですよ」
話しながらタブレットを突っつくジェイドにフロイドはうんざりした顔を見せると、再び長椅子に寝転んだ。
「じゃー今日忙しかったのってメダカちゃんのせいじゃん!」
「絶対に、とは言えませんがそうでしょうね。そういうわけで、アズールは彼女にここでしか見られない衣装を着せて集客を狙っているんですよ」
「そんなことしたらメダカちゃん目当ての客がもっと増えんじゃん! ヤなんだけど!!」
「諦めましょう、フロイド。アズールはご存知の通りがめついので」
「言葉を選びなさい」
「これはこれは、失礼いたしました」
フロイドは二人の空々しいやりとりをうんざりした顔で眺めるも、明日以降また忙しくなるであろうことにうんざりしていた。ティナとの仕事は足を引っ張られないという意味では悪くない、元々飲食店で働いていたということもあり、順応するのは早かった。
けれど、ティナのせいで忙しくなるのであれば話は別だ。そこまで考えて、フロイドは考えるのがめんどくさくなった。長椅子から飛び降り「もー帰るわ」とVIPルームを出ようとするも、片割れも親友も何も言わない。それに対してフロイドも何も思わない。ただ、出る間際思い出したように足を止めアズールに向けて「発注、後で見直してよ」と不服げに発した。
「ジェイド、キノコ3箱も発注かけたから」
「は!?」
「おやおや」
「『おやおや』じゃない! 何を考えてるんだ!」
「ほんじゃねー」
面白くなりそうだけど絶望的に聞きたくない話題から逃げるようにフロイドはそそくさとVIPルームを後にした。
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