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森野 霞
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変わらない8月と君がいる9月_メインストーリー_8月
公式Twitterアカウントで画像で投稿しているメインストーリーを文章の形でまとめ直しております(複数画像やツイートに分かれていて見返しにくい部分もあるため)。
日付でページを分けています。こちらは8月更新分です。ストーリーをまとめて見返したい際などにどうぞ。
※多少修正や変更、増減している部分もあります。内容に大きな違いはありません。
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■8月22日(月) 晴れ
時々、夢を見ることがある。
何でもない夢。
私はただ道を歩いていて、とっても眩しい太陽を浴びて、青空に向かって突き進むの。
でもね
――
最近は、その途中で周りが真っ暗になっちゃって、自分の足場さえもなくなって、奈落に落ちていくの。
不思議と落ちるのは怖くなくて、でも、自分というものが不確かなもののように思えて、それがとても怖い。
落ちた先は見ることはなくて、地面に叩きつけられる前に目が覚めるの。
でも起きた時
――
自分は“今までと同じ自分”なのか、分からなくなる。
怖い、恐ろしい、自分が何者なのか、知りたくない。
知らないままでいたいの。
ずっと、気付かないでいて。
*
アオバくんの引退まであと2日余り。
アオバくんは引退した後も1ヶ月ほどは事務所に在籍し、引退処理などを行う予定になっていた。
「あと1ヶ月はSNSの更新とかもあるし、あんま明後日引退って感じしねぇな」
3人で午後のミーティング中、アオバくんがふとそう零す。
「うん
…
、そうだね」
「
――
……
、確かにそうかもしれないけど、俺はやっぱり寂しいよ」
トアくんはそう言いながらもいつもと変わらない柔らかな笑顔を浮かべる。
「トアがそういうこと言うの、意外だな。別に今生の別れって訳じゃないんだし
……
あー
…
、気にすんな、ってのも違うか」
「俺は
…
アオバくんと一緒だから、バーチャルタレントやってて楽しかったんだって思ってるからさ」
「
……
、俺もお前らとやれて楽しかったよ」
最近の私たちの会話は、こんなものばかりだ。ふとした瞬間にしんみりしてしまう。
空気を変えなきゃ、と明るい話題を口に出そうとした時
――
「おはよ!みんな!今日も元気?」
――
事務所の運営である「バイター」さんが明るく入室してきた。
オレステには通称「バイター」と呼ばれる運営事務員が複数存在している。基本的に素性は謎で、名前すら知らない人が多い。
バイターの仕事は多岐に渡り、その中の一つにマネジメントも含まれている。
基本的に1ユニットに一人のバイターさんが付き、相談役になったり事務処理を代わりにしてくれたりする。『天気雨』にも、専属のバイターさんが付いていた。
それが、今入室したバイターさん。名前は
……
これから知る予定だ。
明るくて元気で、いつも私たちを引っ張っていってくれる存在だ。
「いや〜、今日は間に合って良かった〜!今日はちゃんとアオバの引退の手続きの話もしましょうね!」
「何でそんなしにくい話を明るく宣言すんだよ!!!!」
私たちのバイターさんは自分の気持ちに素直なのか、単に仕事に真面目なのか
――
言いにくい話でも気にせず口にするので、アオバくんに毎回突っ込まれていた。私はそんな二人のいつも通りのやり取りに安心していたし、何だか雰囲気も柔らかくなった気がして、少しだけ、頬が緩んだ。
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