森野 霞
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変わらない8月と君がいる9月_メインストーリー_8月

公式Twitterアカウントで画像で投稿しているメインストーリーを文章の形でまとめ直しております(複数画像やツイートに分かれていて見返しにくい部分もあるため)。
日付でページを分けています。こちらは8月更新分です。ストーリーをまとめて見返したい際などにどうぞ。
※多少修正や変更、増減している部分もあります。内容に大きな違いはありません。


■8月24日(水) 晴れ


――今日は、アオバくんの引退配信の日。

発表からこれまで、長かったようで短かった。楽しくもあり苦しくもあったから当然だと思うけど

アオバくんは今日もいつもと変わらなかった
アオバくんの引退理由は結局、分からないままだった。それでもいつもと変わらない様子の彼を見ると、配信が嫌だったとか辛かったとか、そういう理由での引退ではないんだと感じられた。
その実感に私は、悲しさと嬉しさ、不安と期待が混じった不思議な気持ちになっていた。

そろそろ、始まるよね。コハレちゃん大丈夫?」

トアくんは、これまでよりも一層気遣わしげに私にそう言う。私はそんな彼に精一杯の笑顔で答える。

「大丈夫だよ!私……、アオバくんのこと笑顔で見送るって決めたの!アオバくん、優しいから最後まで悲しんでたら、気にしちゃうでしょ?」

……うん、そうだね。俺もそう思うよ」

アオバくんの引退配信は、いつも通りのBGM、いつも通りの時間、いつも通りの雰囲気で始まった――

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[アオバside]


コメント欄には、
「寂しくなるよ〜」「でもアオバとはいつかまた会えるよね!?」「元気でね!」「お疲れ様〜」
など、好意的な、それでいて未来を感じさせる内容が多かった。
それが何だか嬉しくて、少しだけ泣けた。
まぁ、泣いたなんておくびにも出さないが。

「最後だからって何か特別なことしようとか考えてないんだけどさ、何かしてほしい事ある?」

.˚⊹⁺‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧⁺ ⊹˚.

「何も考えてないの草」
「アオバくんのそういうとこ好き」
「ASMR!」
「お歌歌う?」
「ホラゲ解説プレイ、最後に見たい〜」

.˚⊹⁺‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧⁺ ⊹˚.

「草って言うの簡潔すぎるからやめろって。
ASMRは今から出来るわけねぇだろ、マイクに近付いて喋るか?
歌か、それもいいけどやっぱ俺と言えばホラゲだよな?」

やっぱり最後は、自分の得意分野で。俺はこの日のために用意された、「俺のための」ゲームを起動する――

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アオバくんはいつもと変わらなくて、ちょっと冷たい印象もあるけど、優しくて、とびきり暖かくて、不思議なくらい“いつも通り"で、
そんな姿にちょっぴり泣いてしまった。

……コハレちゃん、」
!違うの、大丈夫だよ、私は、」

気遣われてしまうと思って、慌てて涙を拭い、 トアくんへ視線を向ける。トアくんは、私のことを見ていなかった。
画面のアオバくんを眺めて、嬉しそうに、でも真剣な眼差しを向けていた。

「え?あぁ、違うよ。ごめんね。アオバくん、楽しそうで良かったなって思って」

見られているのに気付いたのか、トアくんは私の方を見ると、いつものように優しく微笑んだ。

「うんそうだよね!私もそう思うよ!」

トアくんにとっても、アオバくんは大事な仲間なんだ、って。
何だか嬉しい気持ちで、私もトアくんに笑顔を返した。

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――あ〜、何か、最後だと思うと名残惜しいな」
「でももう配信終わる時間だし、今日はここまでな。来てくれてありがとな。今日もお疲れ様。ゆっくり休めよ」

アオバくんの締めの言葉が紡がれる。もう終わりの時間なのだと、誰もが察していた。 コメントも「元気でね!」「お疲れ様でした!」「最後まで優しいのずるいよ〜!またね!」「また会おうな!」など明るい、未来を感じさせるものばかりで。
アオバくんも、笑顔で応じていた。

――またな」

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それが、アオバくんが言った最期の言葉だった。