トリミング その他いろいろ編7

twitterにアップしていた極短編まとめです。乙普、楊普、玉普、望乙、玉雲、紫陽洞、楊戩と太公望ほか。お題をいただいたものやワンドロに参加したものなど。腐向けもあります。

「今回が最後だって言ったよね」


【玉普と楊戩】文字書きワードパレットより。喜/満面の笑み 隠す サプライズ
帰宅した師は見るからに上機嫌で、楊戩はいつものように出迎えながら、内心おやと首を傾げた。玉鼎は普段からおだやかな人柄で、声を荒らげることはめったにないが、逆にこれほどわかりやすくうれしそうなことも、これまであまりなかった。なにか良いことでもありましたかと、お茶を淹れながら問うと、玉鼎は驚いたように顔を上げた。
「すごいな。どうしてわかるんだ」
(どうしてわからないと思ったんだろう)とは口に出さず、「なんだかとてもうれしそうですよ」と笑いかける。恋人でもできたんだろうか、春の陽気みたいなうきうきした雰囲気だな。玉鼎は「普段と変わらないと思ったのだが」と首をひねりながら、それでも声をひそめ、「実は」と切り出した。
「お前も会ったことがあると思うが、普賢真人のことだ」
「普賢師弟?はい」
「ここだけの話だが」
「なんでしょう」
……恋仲になったんだ」
(当たった)
一瞬間をあけ、いくどか瞬きをしたあと、楊戩は「なるほど」と頷いた。
……おめでとうございます」
「ありがとう」
満面の笑みで玉鼎はお茶をひとくち含む。
「それでひとつ相談なのだが」
「なんなりと」
「誕生日が近いらしいので、贈り物をしようと思うのだが、何がいいだろう」
普賢には秘密にして驚かせたい。弾む口調でそう話す師に、「なにか考えてみましょう」と答えたが、これほど隠し事が下手な人なのだから、このサプライズはきっと失敗するだろうと、楊戩は思った。