大学芋
2026-07-26 20:30:01
5473文字
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葉月燈火

原藤ワンドロ お題 誘い文句
2026.07/26

大学芋は恋愛は分からぬ 特に友人以上恋人未満の関係とかはどう表記すればいいかわからぬ
くっ付いてるくっついてないは読んでいる読者にお任せする。
誤字脱字多め


曲のイメージ ナブナ『夜明けと蛍』

空の境界オマージュ 殺人考察に似た何か

冷蔵庫にモノを入れてる話
https://privatter.me/page/6a1b20fe43a15

傷跡の話
https://privatter.me/page/6a2ec81f461b3

雪の話
https://privatter.me/page/6a4a1d77268bd?p=2#contents

魔法の話
https://privatter.me/page/6a5cc8f958951

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 意識が覚醒する。
 だいぶ早くに寝てしまったせいか、早くに起きてしまったようだ。
 外を見ればカーテンから漏れて見える淡い月が照らされる。
 隣のベッドに藤堂が寝ているのだろうかと思い見てみれば誰もいなく、窓側をよく見れば甚平を着て椅子を背に兼重を抱えて前のめりに寝ていた。義手と義足をいつもしているものに変えてないという事はそのまま寝てしまったのだろう

「こんな所で寝なくてもいいんだけどなお前は
 もっと単純に考えりゃいいのに」

 少し体を伸ばしてから、ベッドから下りて、藤堂を運ぶ。
 だいぶ深い意識まで寝ているのだろう、浅ければ動かしただけでも叩き切られるはずである。
 正直最初っからベッドで寝て欲しかったが、それはもう致し方ないと今は割り切っている。

 ベッドにおろしてスリッパを脱がせて布団をかける。
 窓の外のカーテンを少し手にかければ、明け方よりだ。
 藤堂に光が差し込まないていどにカーテンを開ける

「どうすっかなぁ」

 やりたいことはあるけどない。
 なにせこんな早くに起きるつもりもなかったから当然である。

 全てが幻想のシュミュレーションルームを楽しめれば原田からすればそれだけでいいのだ。
 それに藤堂にもいい気分転換にもなるだろうと連れてきたのもある。
 ただでさえ考えすぎる体質なのだ、それでいて何かしら知らない内に溜めこむタイプでもある。
 ガス抜きも必要だろうと連れてきたが、正直ガスが抜けているかどうかさえつかめずにいる。

「難しいなぁ、人の為に生きるのは」

 藤堂は難なく息をするように当然にやっているが、あそこまで人間嫌いと人間不信がかかっていてやってるのは最早無意識の我欲でしかない。本人は気づいてないだけかもしれないが、それでも相当の負担である。
 それでもそれを止めないのは彼の本能がそうさせるのだろう。

 壬生狼の時も新選組も時も特異点の時もずっと感じていたことだが、藤堂みたいに全体を良くするために自身の大切なものを分けても動こうというそれ自体を出来る人間なんてそうそういないのだ。

 そうやって偶に垣間見える一番星みたいな輝きともしびが、例え汚れてたとしても奥底に輝くそれを原田は見ていて飽きない。
 ただボロボロになるまで砕け散るまでやるのは違うのだ。
 宝具の話ではない、精神性の話である。

 花火のように居なくなるのは致し方ない、英霊であるならまた会える事もある、出会いと別れがあるのは当然だ。永遠がないのと同じ様に、別れもさも当然と受け入れている。
 ただ、その輝きともしびが失われるほどに壊れるのは許容できないのだ。

「もっとお前は自由に動いてもいいんだ」

 でもきっと出来ないんだろうともわかっている。だから永倉や近藤の力を借りてでも泥だらけになってでも軽々と手を引っ張り上げて走り回りたいのだ。
 それがきっと最善だと信じて

「いつかカルデアでも星が見れるといいな」

 星見と唄いながら、現在のカルデアは星を見れる場所はない。
 同時に春夏秋冬も無ければ月も太陽も時刻さえも分からない場所で、未だに人理を救う旅をしている。
 いつか終わる旅、いつか別れが来る旅。
 短い期間になるかもしれない、その中で例え幻で薄っぺらいものだとしても
 安息が手に入れればそれでいい

 全てが作られた場所で、例え偽りだとしても
 淡い月と夜明けの蛍を見ながら
 原田は微笑んだのであった。