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ろく
2026-07-07 11:18:23
12604文字
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極光の流星
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序章 失われた流星へ
CCA後if。シャアは直前にアムロから離され生存。
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「アムロを倒した後は、私の言うことを聞いてくださるとおっしゃったではないですか!」
「黙れナナイ!あれで倒せたとでも?私が生きているのだ、アムロが死んでいいわけがない!」
総帥であるシャアの剣幕と、常軌を逸した表情振る舞いに、戦術士官ナナイ・ミゲルは怯え、そして呆れた。
ここまで執着したライバルともいえる因縁の相手、アムロ・レイの生存はもはや絶望的だと、だれが見ても明らかだ。まして停戦したとはいえ敵軍人のエースパイロットだ。それを、総帥としてしなければならない公務を振り払ってアムロの捜索に費やしている。ネオ・ジオン軍が冷めていくのも時間の問題であるだろう。
そんな中、敵軍ロンド・ベル旗艦からごくわずかな出力で通信が入った。
ブライト艦長からシャア総帥と極秘で話がしたい、と。
もちろんナナイは反対した。が、アムロのことで、の一言でシャアは承諾し、すぐさま自旗艦レウルーラは、敵艦ラー・カイラムに定められた宙域のポイントで静かに接舷した。
それは極秘、の名のもとに、会見場を設けるでもなく、互いの艦をつなげたハッチの中で、立ったままに行われただけのものだった。
互いのハッチを開け、空気を充満させた狭い緩衝空間でシャアとブライトは向き合った。供も連れずに二人きりで。ブライトの望みをシャアが無条件に飲んだ結果だ。
数年ぶりに会う元同僚たちは、互いに顔色の悪さを皮肉るように笑みを浮かべた。
「久しぶりだな、クワトロ大尉。」
「久しぶりだ、ブライト艦長。で、アムロの消息がわかったのかね?」
らしくもなくすぐさま本題を尋ねたシャアの顔面に、ブライトは右拳を叩きつけた。
「これは、我々の弟と多くの仲間を失った俺たちの分だ!」
怒鳴り声を上げるブライトは、かなり珍しい。本気で振りぬいた拳を受けて口の端を切ったであろうにも構わずシャアは不動だった。
「君の弟?」
怪訝に聞き返すシャアにブライトは、息を吐いた。
「あいつは、俺たちの末の弟のようなものだった。」
そういいながら、ブライトは胸ポケットから畳まれた紙片を取り出し、シャアに差し出した。読めと顎をしゃくりながら。
いわれた通り、シャアはさして大きくもない、印刷されたであろう電文を読む。
『兄さん
私たちの弟は、私が見つけて荼毘にしました。
あの子の髪の毛一筋も誰にも渡しはしません。
私たちの弟を死なせて、ご満足いただけて?
貴方は、私の弟の仇よ。
S・M 』
シャアが全文読み終えたと見るや、ブライトはその手から紙片を引ったくり、再度己の胸ポケットに収めた。
「・・・・・・伝えたいことはそれだけだ。」
ブライトの渾身の拳を受けて立っていた男の膝がその場にがくりと落ちた。
膝立ちのまま放心したその顔は血の気が失せている。、構わずその胸倉をブライトはつかみ上げた。
「あいつは、我々ホワイトベースの仲間の弟分であり、俺たちの命の恩人だ。地球にとっても。そして貴様にとってもそうではないのか?
満足か、クワトロ大尉、いや、シャア総帥。」
ブライトはシャアの胸倉を突き放すと、踵を返し、振り向きもせず自艦のハッチの向こうへ消えていった。
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