のちに「アクシズショック」と呼ばれた小惑星アクシズを地球落下から押し返した奇跡のMSとパイロットは、1週間経ても見つかっていない。その奇跡の場にいた首謀者は生きて彼の旗艦に保護されたというのに。
その首謀者、シャア・アズナブル、いや、シャア・ダイクンと言うべきか、は、帰還するなり自ら始めてだまし討ちすら辞さなかった戦争停止を宣言した。
その真意も、その宣言に信ぴょう性があるかどうか、迎え撃った地球連邦軍は当然疑ったが、独立部隊ロンド・ベルにはもはやどうでもよかった。
即時生存者を探し、遺体を回収するのに奔走した。誰しもアムロ・レイの生存を疑わなかったからだ。そして、直前まで敵対したネオ・ジオン軍も自軍だけでなく分け隔てなく遺体を回収する態でアムロを探していた。
厄介だったのは、連邦軍がありえない事象を起こしたファーストニュータイプ、アムロ・レイを確保するべく動き出したことだ。察知したロンド・ベル旗艦ラー・カイラム艦長、ブライト・ノアは捜索を急いだ。自分たちでアムロを保護できなければ、彼は連邦軍によって再び自由を失うとわかっていたためだ。
あの時は知らなかった、アムロが受けていた仕打ちを。もし知っていたら、立場を投げうってでもなんとかあがいたはずだ。だが時すでに遅い。
ただ今は亡骸であっても連邦軍に渡すものか思っている。
この宙域で見つからないならば、地球の引力に牽かれて地上に落下したのか。連邦軍自体は地上・海上も捜索していると聞く。そうなればブライトには手も足も出ない。それでも、信頼できる仲間はいるにはいるが、規模が違いすぎる。
今も地球軌道をうっすらとオーロラのような光が囲む地球を見て、あれがアムロのサイコフレームとやらが起こさせた光だとは理解する。アムロの命の光だとは思いたくはなかった。
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