錘(つむ)
2026-06-01 20:33:42
14845文字
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水の怪

現パロというか この世ならざる者たちと縁の深い立香が出会った犬連れの少年は



 翌日。
 改札を出て、待ち人を探すと、黒髪の少年は誰かに絡まれていた。というのは比喩ではなく、ほぼ絡みつくような距離で上機嫌な青年を、なんとか押し返している。主人のピンチだがコーギーたちは特に助けようとはせず散歩紐を巻きつけて事態を悪化させたりしている。自由だ。
 青年は見覚えのある、特徴的な赤毛混じりの金の髪をしていた。どうしてここに。
「あの……?」
 声をかけると、二人は同時に立香の名を呼んだ。そして、またほぼ同時に叫ぶ。
「何だ、弟と知り合いなのか!?」「兄上と知り合いだったのか!?」
 立香は少し、空を仰いだ。
 私たちで解決して本当に良かったね。立香は言葉を飲み込み、2匹のコーギー犬はご機嫌にその足元でステップを踏んでいた。