Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
錘(つむ)
2026-06-01 20:33:42
14845文字
Public
Clear cache
水の怪
現パロというか この世ならざる者たちと縁の深い立香が出会った犬連れの少年は
1
2
3
4
5
6
7
8
同じ場所に居続けるのも危ないと、歩きながら話す。とりあえず危なくなさそうなら神社を覗いてきて、危険なら引き返そうということになった。
コーギー二色の背中が小刻みに揺れ、大きな独特のカーブを持つ耳がそれに合わせてぴよぴよぴよぴよ震える。時折、振り向いてこちらを見上げる。犬の散歩につきあっているだけのようなのどかさだ。
「なにか起きてるわけじゃないんだ、まだ。でも、このままだと絶対に、なにか起きる」
「さっきの。私が第一の犠牲者になってたかもしれないよね」
少年はコクリと頷く。
「俺はこういうのの対処が上手いわけじゃない。正直に言う、苦手なんだ。俺がかき回すことで事態が悪化するんじゃないかって、今も思ってる。こういうのに強い身内がいて
……
」自分の言葉に目つきをじっとりとさせた。「いまそいつに任せればいいって思っただろ?」
「思ってないよ!」
慌てて手を振る。嘘ではない、だってどんな人か知らないし。
「
……
きっと、大事になったら来てしま
……
来てくれるんだよ。でもその前に、俺でもできることをやっておこうと思って。手がかりはないかと犬を連れ出したら、言うことを聞かず君に突撃を
……
」
「犬の勘で、私に頼むといいと思ったのかも」
二匹とも振り向いた。口を開け、そうですと言っているようだ。
「調子がいいんだ。こいつら」
拗ねた口調で唇を尖らせる。
「あはは。私が危なかったから、助けてくれたんだよね」
また、犬はそうですというような顔をした。少年は細い肩をすくめて「ほらな」と言った。
少年は更に何か言いかけたが、口を閉ざした。犬も含めた全員に緊張が走った。道路下を何かがすれ違った気配がした。
「
……
今も。なんか通ったね。この街、水源があるから水路も大きめみたいだし。水って厄介めのが多い気がする」
「わかる。水が繋がって、移動されるのが厄介だけど、もう始まってるみたいだな。呪いだとすれば、原因があるはずなんだ。原因を取り除けば、俺でも何とかできる、んじゃないかと思う」
「情報集めを、手伝えばいいのかな」
「頼む。俺はあんまり、その、知らないやつと喋るのも、得意じゃなくて。君は、そうでもないけど」
口ごもる少年に、立香は笑いかけた。
「よかった。戦うとかそういうのだったら全然できないけど。聞き込みだったら任せて!」
「普通、戦わないだろ」
少年も、ようやく笑顔を見せた。
1
2
3
4
5
6
7
8
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内