とこり
2026-05-11 20:49:01
10853文字
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Wデートをした話

自分が描いた長編小説のみかづきさんとリアルの審神者さんと歌とこというカップルでダブルデートをした話。次元とか時間とか飛び越えてて、私の中でわけがわからないことになっていますが、楽しかったんです。


帰りの乗り継ぎはスムーズで、予定より一本早い電車に乗れた。
お土産もちゃんと買えたし、万々歳だ。
特急にも無事に乗れ、座って一息つくと、今度こそとばかりに水が差し出された。
お茶をしてきたけれど、喉は渇いていた。
昼に差し出された時と違って、今度は水が喉を通る。
肘掛けに手を置くと、そこに大きな手が重ねられた。
「あの三日月はなんなんだい?きみは我が子というし、話をしていて妙だった」
もしかしたら、あいるさんとそのことについて話したのかなと思ったが、予想は外れたようだ。
彼は私の創作本丸の登場人物で、けれども色々時空がねじれてここで邂逅したと説明する。
話を聞きながら、最初は私の指輪を、自分の指でなぞっていた歌仙さんだったが、その動きを止めた。
「そんな突拍子もないことが……。いや、きみならあり得るか……
ブツブツ言っている。
今回、あいるさんと会えて良かったとか、聖地にいけて嬉しかったとか、感想はいろいろあるが、我が子、三日月宗近と会えたのは、やはり衝撃が大きかった。
創作者なんて言っても、私のできることなどたかが知れていた。
結局、私は広い世界の記録者でしかないのだ。
ぎゅうと、手を丸々包まれて、我に返った。
「それで、帰ったら見せてくれるのかい?」
「見せる?」
「きみの子、三日月の物語を」
「いや、見せないよ?」
私が書いているのは何を隠そう、三日月の物語ではない。
歌仙兼定の物語だ。
予定だけど。
そんなものを見せられるわけがなかった。
「どうしてだい?物語は読まれなくては」
「不特定多数が読んでくれる場所に公開してるので結構です!」
「僕がその不特定多数に入ったって、いいだろう」
「よくない!」
ごう、と車内に大きな音が響く。
トンネルに入った瞬間だった。
車内の雑音が大きくなったのを良いことに、よく聞こえなーい、と会話を打ち切った。
また、二人に会えることはあるのかな。
二人は笑い合っていた。
心の中は表面と同じとはいかないかないかもしれないけれど。
次に会う時も、二人が笑い合えてればいいな、と思った。