とこり
2026-05-11 20:49:01
10853文字
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Wデートをした話

自分が描いた長編小説のみかづきさんとリアルの審神者さんと歌とこというカップルでダブルデートをした話。次元とか時間とか飛び越えてて、私の中でわけがわからないことになっていますが、楽しかったんです。


二組で歩いていても、結局だんご状態になり、ついつい女二人、話に花が咲く。
やりとりしたことは数あれど、お会いしたのは初めてなのに、別れがたいなと思う。
旅先ではあるけれど、向かう駅の近くには公園や美術館がある。
美術館は好きで、何度か足を運んだ。
ここで見たものを思い出す。
次にここに来た時は、あいるさんと三日月さんのことを思い出すだろう。
場所と記憶は繋がっている。
駅の近くにカフェがあったと記憶していた。
最悪、駅ナカだったかもしれないが、なんかあったはず。
記憶は正しく、駅までの道にカフェがあった。
時間を見れば三十分くらいカフェで過ごせそうだ。
しかし、私は時間管理がとかく下手くそだった。
遅刻ぎりぎり、若しくは遅刻がすごく多い!
「カフェでお茶する時間、ありますかね?」
と問えば
「あると思いますよ」
「それくらいは大丈夫じゃないかな」
と二人から返事が来た。
私の時間感覚、あってた、と思うと同時に無償に、我が子三日月宗近と握手したくなった。
時間を気にしなさそうな気がする。
駅近くのカフェでもう少しおしゃべりができそうだ。
カフェはセルフスタイルだ。
席を確保し、注文をするための列に並ぶ。
この辺りはパンダを売りにしていたため、パンダをイメージしたメニューを置く店や、パンダの土産物が多い。
メニューのパンダを見ながら、あいるさんが
「何の情報もなかった……
と、ポツリつぶやいた。
可愛さが爆発していた。
どこがかわいいのかと問われれば、言語化できないが、めためたに可愛かった。
見れば三日月さんもデレデレしている。
にこにこではない。
若干だが、デレデレしていた。
やはり、可愛かったのだ!
間違いない!
心の中でドヤったが、誰にも通じなかった。
飲み物だけにしようかと思ったが、メニューにケーキがあり、心が躍った。
ケーキ食べたい!
時間あるかな?
尋ねればあいるさんもケーキを頼むつもりだという。
やったね!
いや、別に一人で頼んでもいいんだけど、せっかくなら一緒に頼みたい。
さて、ここからは真剣である。
どのケーキにしよう。
アップルパイかブルーベリーのチーズケーキかガトーショコラで迷ったが、何となくブルーベリーのケーキを選ぶ。
先に注文したあいるさんは同じケーキとアイスコーヒーを頼んでいた。
何を隠そう、私はコーヒーコンプレックスである。
ブラックコーヒーがあんまり飲めないのだ!
牛乳や生クリームが入っていれば砂糖がなくても平気だが、ブラックはあんまり飲めない。
がんばれば飲める。
極稀に美味しいと感じる。
というわけで、紅茶とケーキを頼む。
紅茶はカップにお湯が注がれ、ティーバッグが添えられていた。
何となく私にお似合いな感じがした。
あいるさんはコーヒーも似合う。
ミルク入りじゃなくてブラック。
なんでそんなこと思うのかなと考えてみる。
混ざり合う香りの複雑さかな。
そうでありながら人を虜にする感じ。
アイスもホットも愛される飲み物。
何かを加えても美味くなれるけれど、ブラックの時の良さって消えない。
あいるさんに実際にお会いして、お話して抱いた印象は芯の強い人、ということだった。
その辺りがコーヒーと似ているのかもしれない。
コーヒーって何か足しても、コーヒーとしての良さって消えない気がする。
歌仙さんもコーヒーを外で飲む時はブラック派だ。
三日月さんは苦いし、ブラックコーヒー飲めなさそう。
多分、仲間。
そう思って何の気なしに聞いてみる。
「三日月さんはコーヒー、ブラックで飲めますか?」
「飲めるぞ。知らんのか」
「知らない!」
裏切り者!!
私、作者だけど、三日月さんがブラックコーヒーを飲めるの知らなかった。
忘れなかったら、設定にメモしておこう。
これから先、三日月さんがブラックコーヒーを飲む描写、出てくるのか知らんけど。
途中で飲めるようになった可能性もあるね。
頼んだケーキは言われてみれば、歌仙さんの色だった。
おかげで歌仙さんはご機嫌である。
お腹がくちくなれば、それは別れの時だった。
名残惜しいな、と思う。
駅まで歩く。
特急の切符を取ろうと、有人の窓口を探そうと最後まであいるさんに迷惑をかけた。
歌仙さんにしっかりするよう小言を言われる。
あいるさんは、さらりと別れて自分の路線に向かっていく。
その背を見送った。
その別れ方にちょっと安心した。
楽しかったし、名残惜しい。
けれど、私は別れ際に、名残惜しいって表現するのが上手くない。
背を見送られることも多かった。
背を見送ってる自分が、ちょっと嬉しかった。
利己的かもしれないけれど、あいるさんを素敵だと思った。