とこり
2026-05-11 20:49:01
10853文字
Public
 

Wデートをした話

自分が描いた長編小説のみかづきさんとリアルの審神者さんと歌とこというカップルでダブルデートをした話。次元とか時間とか飛び越えてて、私の中でわけがわからないことになっていますが、楽しかったんです。


大きなチューリップ、サクサクの油淋肝、アツアツのアボカドメンチ。
頼んだメニューを分け合って食べながら、女二人は話が弾む。
あいるさんは、SNSで知り合った審神者友達だ。
素敵イラストで返しきれない恩を頂いている。
ネット上では言ったり、聞いたりできないあれこれも話し、知らないこともたくさん教えてもらう。
女二人が姦しいので、男二人も言葉を交わすが、それも次第に少なくなり、無言の時間が多くなった。
それはそうだろう。
ここにいる三日月さんは異質だ。
彼は未だ大侵寇を越えていない。
今、私たちがいる時間軸にいる初の三日月宗近は二種類だ。
大侵寇を越えて修行に出ていない三日月宗近。
大侵寇を知らぬ三日月宗近。
これから大侵寇が起こる三日月宗近がいるのは異常なのだ。
その違和感に歌仙さんも気付いたのだろう。
三日月さんが私の子だと言った時には混乱した様子だったが、今は困惑している。
三日月さんも悟られたくないだろうが、彼は彼で自分の未来など知る由もない。
取り繕うにも限界があり、刀剣男士相手には流石にほころびが出たらしかった。
こんなことなら、先に詳しく説明しておけば良かった。
まあ、大事ないだろうと踏んでいたが、ものすごい大事になっている。
原因ですか?
私ですね!
男二人は食べるのが捗っていた。
話をしているので、口は挟んでこないが、あいるさんを見る、三日月さんの表情は穏やかだ。
彼の抱えているものを考えれば、あいるさんへの気持ちはかなり複雑だろうと思うが、それを感じさせる素振りはない。
そういう男士だ三日月宗近は。
しかし、あいるさんも人の感情を深いところまでトレースするのが得意なようだった。
私が思うより、三日月さんのことを理解しているのかもしれない。
あるいは誤解しているのかもしれない。
それでも、三日月さんが私の物語のレールを外れてまで、興味を持ったという事実だけは、動かしようもなかった。
彼にも打算はあるはずだ。
おそらくは。
そして、彼の希望は脆くも打ち破られたのかもしれない。
ある面においては。
それでも尚、三日月さんの眼差しは温かい。
打算だけで動けやしないのだ。
まだ、繋がっていたいと願っているのだろう。
多分。
物語の書き手としては、それは彼のための願いだと設定付けるところなのだが、実際に彼ら二人を見ているともはや、私の設定の枠には収まりきらないのだろうとわかる。
私にできることはないのだ。
新たな品を注文すること以外には。
ところで、私は山芋が好きなので、山芋も頼んでいいですか?
なんかあいるさんも、以前山芋を食べているとおっしゃっていた気がするし。
シェアしようね、皆!