サブさぶれ
2026-05-09 19:03:58
18530文字
Public ワンドロワンライ
 

ワンドロワンライ②

ワンドロワンライまとめ②


魔法の時間

お題「マジックアワー」「セカンドキス」45min

 海中エレベーターから降りた途端、金色の光に包まれた。一日にほんの数分しかお目にかかれない魔法の時間。自然の神秘。きっと誰もがこの金色に焼かれた空と海に見とれてるだろう。けれどもアオイの心は動かない。つい一時間前、もっと美しく輝く金色を見たからだ。

「あのさ」
「なに?」

 声の方に視線を移す。初めての遊園地デートを共に楽しんだ人はなぜか自分の爪先ばかり見つめていた。斜陽が真っ赤な頬を照らす。落ちた影で彼のまつ毛の長さを再確認する。心臓がドキドキして痛いのに、それでも彼から目を離せない。やわらかくてあったかい唇が短い息をはくはく漏らし、少しの間の後ゆっくり開いた。

……二回目って、いつする?」

 スグリが顔を上げる。ピカピカキラキラ。二人にしか分からない問いを投げかけた人は、さっき見たのと同じくらい魅惑的に瞳を輝かせていた。

「そうだなぁ」

 スグリに手を取る。隙間に自分の指を滑らせ強く深く握りしめる。数センチしか残ってなかった距離をさらに縮め、コツンとおでこをくっつける。白い喉が大きく揺れた気配を感じたが、気にせず鼻も触れ合わせる。

「今、とか」

 ——ほらね。やっぱり。
 大好きの気持ちで燃えるアオイだけの黄金は、太陽よりも美しい。