Skorca
2026-02-28 23:21:42
6108文字
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語彙トレ2026(2月後半)

Blueskyで参加させていただいている語彙トレ2026の投稿作2月後半まとめです。

語彙トレの詳細については主催のKiri様の記事をご覧ください。
創作365日語彙トレーニングことはじめ

カクヨム小説家になろうにて公開中の下記作品の世界観で好きに書き綴っています。

禁書屋の常連客
遺形の承継者
親愛なる我が従弟殿 ~遺形の承継者 番外編~
ある空隙についての物語

最終ページに各話の登場キャラクターと関連作品の一覧があります。


扇動(2/23)

 息巻く集団を見送る冷えた目が、すっと細められた。
「ふふ、愚かな。誰に扇動されたかも知らずに」
「主上。どうぞ宮へお戻りを。下賤な餌どもが荒らした大地などにおみ足を穢してはなりませぬ」
 近衛の両翼に促され、彼女はふわりとその身を浮かせる。瞬時に辺りの景色が一変した。
 いつもの玉座に身を収め、物思いに耽る。
 造作もない。エルムとやらと自称し始めた者たちに、彼らを餌の運命から解放した主導者の素性を明かしただけだ。だがその真実は必ず、あの『餌狩りのルーシ』を刺し貫くだろう。
 知らず紅唇の端が吊り上がる。
(姉さま。あなたの傍らで、あなたの背の君は息絶える)


---解説---
 『禁書屋の常連客』より十数年後、ニーム帝国皇帝が放つ最後の一矢。
 彼女は元来国の存続や統治に興味が無く(意識の共有先が神のそういう側面ではなかった)、帝座からは最も遠いと目されていた皇女でしたが、姉が他の皇族を軒並み斃してしまったためにその座に就きます。
 ゆえに滅びゆく帝国をどうにかしようとは考えておらず、ただ自らの心の赴くままに、姉に厭がらせをしてやろうと考えただけです。
 それがどんな結果を生もうと、そこに彼女の興味はありません。自らの命についても同様です。