Skorca
2026-02-28 23:21:42
6108文字
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語彙トレ2026(2月後半)

Blueskyで参加させていただいている語彙トレ2026の投稿作2月後半まとめです。

語彙トレの詳細については主催のKiri様の記事をご覧ください。
創作365日語彙トレーニングことはじめ

カクヨム小説家になろうにて公開中の下記作品の世界観で好きに書き綴っています。

禁書屋の常連客
遺形の承継者
親愛なる我が従弟殿 ~遺形の承継者 番外編~
ある空隙についての物語

最終ページに各話の登場キャラクターと関連作品の一覧があります。


憧憬(2/21)

「私のことはヴィーと呼んで。親しい人はそう呼ぶんだ」
 そう言われ、ふるふると首を振ることしかできなかった。うまく言葉が出ずに俯く。こんなことだから、母にも兄にも冷たい目で見られるのに。
 二つ歳下だという少年は、怪訝な顔で見上げてきた。陽の光を縒って集めたよう――教典にそう語られる聖者も、こんな姿だったのだろうか。
……お、畏れ多いことです」
 相手は不思議そうに目を瞬く。
「貴女は私の遠縁の姫なのだから、遠慮なんて要らないのに」
 と言われても、あまりに立場が違う。漠然とした憧憬を抱いていた聖者の印象と重なるその姿こそが、何よりもそれを物語っているのだ。


---解説---
 ヴィー七歳、アルテミジア九歳。ふたりの出会いの場面です。
 結局不器用で頑固なアルテからヴィーと呼んでもらえるまで二年かかりました。もっとも、年に一、二回しか会わなかったというのもありますが。
 この件も踏まえて『遺形の承継者』の第二十章で、ヴィーが「なかなか口きいてくれなかった」と語っています。
 この場面だけ切り出した短編を書こうと思ったことがあるのですが、その後の展開を思うと万一本編未読の方がこちらから入って本編にいらした場合、「えー?」となりかねないな……と控えたのでした。