Skorca
2026-02-28 23:21:42
6108文字
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語彙トレ2026(2月後半)

Blueskyで参加させていただいている語彙トレ2026の投稿作2月後半まとめです。

語彙トレの詳細については主催のKiri様の記事をご覧ください。
創作365日語彙トレーニングことはじめ

カクヨム小説家になろうにて公開中の下記作品の世界観で好きに書き綴っています。

禁書屋の常連客
遺形の承継者
親愛なる我が従弟殿 ~遺形の承継者 番外編~
ある空隙についての物語

最終ページに各話の登場キャラクターと関連作品の一覧があります。


胎動(2/28)

「お方さま、どうかご安静に」
 気遣わしげな侍女の言葉に、シスリーは柔らかく微笑む。
「心配要りません。……ほら、この子もこんなに元気だわ」
 こちらの身体まで揺らすような胎動に、自身の丸い腹部を見下ろし、目を細める。
「ですが……あまり出歩かれますのは」
 侍女の憂いは晴れない。彼女について回るのは、体調面の不安だけではない。この腹の子を産み落とさせまいとする者たちが、いつどのような魔手を伸ばしてくるか知れないのだ。
 それを思い、シスリーはそっと目を伏せる。
……不憫な子。でも安心なさい。貴方には、護りを授けてあります。わたくしにしか与えられない護りを」


---解説---
 『遺形の承継者』の前日譚。ヴィーの母シスリーの話。
 彼女は聖人のような外見の現実主義者、の元祖とも言える存在。ヴィーの教育を主導したのはシスリーであり、本編や『親愛なる我が従弟殿』でも語られる癖の強いヴィーの傅役は彼女が付けた人物です。
 そんな彼女の言う「守り」ですから、実のところ息子からしたらロクなものではありません……効果のほどはともかく(本編の最新話第三十六章にヒントがあるような無いような)。