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葵@はなれ
2026-02-23 14:34:12
15158文字
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「僕目見」で福島光忠を食い散らかしてきた実休が盲目の福島に出会う話(未完成ダイジェスト版)
いつまでも書き終わらないので、尻叩きの為に途中まで上げてます。
1〜2ページ目は過去の再掲、3ページ目からが未発表部分になります。
※未完成、(中略)部分あり。
※オリジナル審神者が喋ります。
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刀剣男士として身体を得る前の記憶は、おぼろげだ。静かで冷たい場所で、長い間、心地好い微睡みに揺られていた気がする。
ゆっくりと沈み、揺蕩う意識は、時々浮上し、聞こえてくる物音や声で、自分がにぎやかな場所に移された事を知った。入り混じる人と刀の気配を、夢と現の狭間で、ぼんやりと感じていた。
楽しげにやり取りを交わす彼等が、どうやら最終的に一振りの刀を選んで連れ帰っていくらしいと把握した頃、弾んだ女人の声が「福島光忠を」と己を所望するのが聞こえた。
選んでくれるのか。そう思った時の、ほころぶような心地を憶えている。
霊力が満ち、甘い香りが肌を撫でた。指先に、頬に、胸に、温かな血が通う。とくん、と胸の辺りでくすぐったく弾むこれが、鼓動、というものだろうか。
何処かで鳥のさえずりが聞こえる。さらさらと耳に心地よい音を奏でるのは、きっと、いたずらに花を揺する風。正則の城にあった、枝ぶりの見事な桜の樹を思い出す。風が吹くたびに舞い散る花びらを、日の本一の槍と共に見上げたのだっけ。
懐かしい春の匂いの中、ゆっくりと目を開けて
――
けれど福島が、其処に思い描いた光景を見る事はなかった。
何処までも変わらぬ視界に、まだ箱の中にでも居るのだろうかと首を傾げ、それにしては明瞭な物音や気配が、不思議で。
はてと思っているうちに、側に感じる気配達が、次第に困惑するのが分かった。心配そうに呼びかける彼等に、姿が見えないと伝えれば、俄かにその場に動揺が走った。何かがおかしいと、その瞬間、悟った。
矢継ぎ早に福島の状態について問いかけた女人
――
福島を選んだ声の持ち主
――
が、バタバタとその場から遠ざかり、誰かの名を呼ぶのを聞きながら、きっと不安げな顔をしていたのだろう。
不意に触れられた手を、驚いて振り払ってしまったのは、今思い出しても痛恨の極みだ。
はっと息を呑む気配の後、躊躇いがちに、穏やかな声が話しかけた。
「
…
驚かせてしまって、ごめん。僕は、燭台切光忠。あなたと同じ、光忠が一振りだよ」
「光忠の
…
」
「大丈夫。あなたに何が起きているかは、まだ、分からないけど
…
でも、きっと主が何とかしてくれる。絶対に、悪いようにはならないよ。主も
…
僕達も、あなたを待っていたんだ。だから」
心配しないで、と語りかける声は優しかった。
きっと彼だって戸惑っていたし、どうしたらいいか分からなかったに違いないのに。
改めて触れていいかと尋ねられ、頷いた福島の右手を、今度は慎重に、大きな手が包んだ。ひとまずは主
――
先程、慌ただしく出て行った女性
――
の所へ連れて行ってくれるという。
ぎこちない緊張が伝わる指先を握り返して、よろしくと笑いかけると、ほっと雰囲気がゆるんだ。彼も笑ってくれたのかもしれない。
(俺の兄弟、か
…
どんな顔をしているんだろうな)
見る事は出来るのだろうか。
優しく、力強い手に導かれながら、期待と、ちらりと、そんな思いがよぎった。
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