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ろに
2026-01-07 20:00:00
7331文字
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お祭り騒ぎと夜来の雨
文章:「彷徨う魚の意味と意図」の手前の話。じめじめしている玄野の話その0。(過去のオンラインイベントにて無料配布していた小説の再掲)
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商店街の本通り。建物はアーケード式で、石畳と空を隔てている透明な覆いは、雨だけでなく熱や紫外線を遮る特殊な素材で出来ている。そのため真夏日であっても涼しく、周辺一帯よりも更に人の密度が高くなっていた。その通りの中を、5人の男達がひとかたまりになって歩いている。
「虎太郎、はぐれるぞ」
「あっ、ごめんリューセー」
歩く速度が落ちていると声を掛ける龍星に、何かに気を取られていたらしい虎太郎が慌てて返事を返しながら距離を詰める。
「お前、背小っせぇから探すの大変そうだな」
2人のやり取りが耳に入ったのか、前方で歩いていた白髪の青年が振り返る。
「おれはこれから大きくなるの!」
「今大きくねぇと意味ねーよ」
カップに入った氷漬けのイチゴを齧りながら揶揄うタクトに対して虎太郎は抗議の声を上げるも、146センチの虎太郎が目一杯腕を上げても186センチのタクトに届くか怪しい。
「
…
何か気になる物でもあったか?」
「そうだった!リツさんが『今日は夕食なし』だって」
龍星から投げかけられた質問で我に返った虎太郎は、持っていた携帯を軽く振って答えた。
「珍しいな」
「そりゃあ、今日は祭りだからねぇ」
「親父、いつの間に」
後ろに居た筈の宗麟が隣に並んでいた事に驚いた龍星が僅かに目を見開く。宗麟は龍星の反応を見て愉快そうに笑い、「そうそう、」と急に何かを思い出したように言葉を続けた。
「忘れ物を思い出したから、私は少し離れるよ」
「今取りに行くのか?」
5人は昼前から出かけており、現在時刻は午後4時を回ろうとしている所だった。目ぼしい場所は粗方回り終えた筈だが、いったい何を取りに行くのだろう。龍星の疑問に、宗麟は飄々とした様子で返した。
「こういうのって思い出すと気になるだろう?じゃ、朱司くんに会ったら伝言を頼むよ」
「ああ、わかった
…
朱司は何処だ?」
「は?朱司さんなら自分の隣に
…
って居ねぇ!」
「アカシさーん!」
いつの間にかはぐれていたらしい朱司を探し始めた3人から離れ、宗麟は1人、ボイボ寮がある方向へと足を運んでいく。
(さぁて、どう口実をつけようか)
祭りを知らないであろう彼の顔を思い浮かべながら、年長者は群衆の中を進んでいった。
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